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2024年4月11日(木)


ちょっと変わったホテルだった。
食べ放題・飲み放題はきっと地元では人気なのだろう。確かにお得感は相当ある。

ホテルの構造も変わっていて、右の写真のように高層マンションみたいになっている。
こうした努力によって、たぶん魅力ある価格で提供できているのだと感じる。
まあ自分にとっては、もうちょっと落ち着いた雰囲気があれば、と感じた次第だ。

そうそう、昨日こんなことがあった。
部屋に入ったらテレビのリモコンがない。

いくら探しても見つからない。
フロントに電話したら、担当者がすぐにやって来たが、やはり見つからない。

予備のリモコンを持ってきてくれるかと思ったら、なんとテレビの交換らしい。

予備のリモコンがないのでしょうね。
ということで、いきなりテレビの交換作業となった。

きっと、とんでもない奴がリモコン持って帰ったのでしょうね・・・
今問題のホテルの備品持ち帰り事件だ・・・


このホテルも自転車を特別扱いしてくれた。
昨日到着した際に、なんと自転車をフロント事務所の中に運んでもらった。

まさかそこまでしてもらわなくても良かったのだが、スタッフの指示で係の人が事務所内に運んでくれた。
「これ、スタンドがないので・・・立てかけていただかないと・・・」と申し訳なさそうに伝えたのだ。
翌朝、チェックアウトする際、事務所の奥から運んできてもらった。いやぁ、こんな対応初めてだ。

最終日、今日も天気は問題なさそうだ。
まずは駐車場にいた猫ちゃんと遊んでからスタートだ。


すぐに筑後川自転車道が始まる。
本来はこの自転車道を行きたいところだが、距離の短縮と変化を求めて、前半は小さな巨瀬(こせ)川沿いを行く。

素晴らしい桜並木が続いているのだが、ご覧の通りすっかり散ってしまって残念だ。


せっかくなので、自撮りで撮影だ。
もう少し桜を楽しめるかと思っていたのだが、まったく期待外れに終わってしまった。


巨瀬川沿いの道は、とても静かでのんびりと走れる田舎道だ。
大きな川に沿った自転車道とはまた違う景色を見ることができる。


こんな長閑な田舎道に、突然真っ白な巨大な工場と、見事に咲き誇る芝桜が視界に飛び込んできた。
なんてきれいな工場なのだろうと寄り道してみる。なんと資生堂の工場だ。

環境に配慮したサステナブルな工場だそうで、工場見学もできるらしい。
ぜひ一度中を見学してみたいものだ。

巨瀬川に沿った小道は、田畑の中を抜けていくといった感じで、変化があって楽しい。


牧場の牛舎が現れる。ちょっと中を覗いてみたら、なんだ?と睨み返されてしまった。
ここでようやく筑後川自転車道に合流する。


さっそくサイクリストが現れた。本格的な人はいないけれど、お散歩程度の人は結構見かける。
これだけのいい環境の中を走れるのだから、地元の方が実にうらやましい。


しかし、所々で災害のための予防工事が行われていて、迂回せざるをえない。
階段を担がされて迂回すると、ちょうど水天宮に出る。(全国水天宮の総本宮)


再び自転車道に戻る。
白いハマダイコンの花が、自転車道の両脇を美しく装飾してくれる。


福岡県から佐賀県に入る。やはり県境を越えると気分も盛り上がる。
あたり一面、広大な田畑がどこまでも広がっている。グリーン一色の世界だ。


筑後川自転車道から、佐賀環状自転車道(徐福サイクルロード)へ分岐する。
自転車道の入口には、「ふるさとちびっこギャラリー青空美術館」と題して絵が紹介されている。
なかなか雰囲気のいいスタートだ。この先どんな自転車道なのかと期待する。


入口からすぐ先、さっそくこんなに素敵な雰囲気が広がっている。
きれいにペイントされた路面に、散った桜の花びらが点描画のように美しい模様を描いている。
ここは記念にと、自分の走る姿を撮影したいと自撮りに挑戦だ。


素敵な自転車道だ。桜が満開の時は、どれほどの絶景だったことだろう。
それでも、散った花びらをこうして眺めるのもまた違った意味で美しい。
そしてこんな景色を独り占めできるなんて、これはこれで大満足だ。


「ここは、かつての”鉄道”旧国鉄佐賀線」という説明がある。
どんな列車が走っていたのかと想像しながらじっくり読んでみる。

1935年に開通し、1987年に廃線になったらしい。
こうして自転車道として維持、保存されていることが実にありがたいことだ。


できればこの5kmもある、絶景の桜のトンネルを走りたかった。
しかしご覧の通りの寂しさだ。ほんのわずかに、散った花びらが路面に残っているだけだ。


実に美しい道だ。本当に残念だ。あと少し早く来ていれば・・・と何度も悔しがる。
チャンスがあれば、また来よう。そう思えるほど素敵な自転車道だ。


この景色に桜が満開だったら・・・そう想像しながら休憩所でランチタイムにする。
佐賀県とは、こんなにいい所だったか・・・ほとんど走ったことがないだけに、認識を改めた。


「南佐賀駅」の旧駅舎が残されている。なかなか雰囲気のいい駅舎だ。目の前が公園になっている。
駅舎内にはトイレが設置されていて、地元の人が利用している。


さあ、この旅もいよいよフィナーレが近づいてきた。あと20km少々でゴールを迎える。
それにしてもこの広大な麦畑は見事だ。

近寄って表示を読んでみると、麦の種類、品種などが書かれている。
また「大麦ヘリ防除」作業の予定も書かれている。ヘリによる薬剤散布のスケジュールだ。


佐賀環状自転車道の最後は、「バルーン」の登場だ。
あまりに有名な佐賀のバルーン大会。毎年秋に嘉瀬川河川敷を会場に開催される。

テレビの映像では何度か見たことがあるが、その会場がこの先すぐだ。
自転車道のフェンスには、バルーンを描いたペイントが施され、走っていくと次々バルーンが飛んでくる。


これだけでも楽しく美しい眺めなのだから、本物を観たらどれほど感動することだろう。
こうして嘉瀬川に沿って北上していくと、これもまた有名な「バルーンさが駅」の鉄橋が見えてきた。

どれどれ、駅舎でも覗いてみるかと行ってみるが、駅に登る入口がない・・・なぬ?
駅のホームは下から見えるが、そこへいくルートがどこにもない・・・どーなってんの?

ちょうど地元の人がいたので聞いてみたら、バルーン開催の時しか利用できない駅だそうだ。
入口も鉄橋横の階段から行くそうで、まったく分からなかった。
https://www.asobo-saga.jp/events/detail/df017f42-396b-427e-b228-ffb90bfe4aa5


最後は、佐賀導水路と巨瀬川調整池を巡ってみる。


佐賀平野の特徴

佐賀平野は、急峻な山地と、干拓等で形成された広大な平野が特徴である。また、日本一の干満差を持つ有明海に面した平野は、満潮時には海面より低くなる。このため、内水被害が生じやすい地形となっている。

佐賀平野を横から見ると河川が最も高い位置にある。このため、ひとたび河川が氾濫すると甚大な被害となるほか、小さな支川の水などは、河川に流れ込むことができずに、氾濫することとなる。

佐賀導水は、筑後川、城原川、嘉瀬川を導水路で結び河川の流況を改善する事業である。
https://www.city.saga.lg.jp/site_files/file/usefiles/downloads/6318_20060609084303.pdf


細かく張り巡らされた導水路。この地域は、数百年にわたり洪水被害に悩まされてきたという。
何でもない時には長閑な風景にしか見えないが、いざ大雨の時にはこれが大活躍するのだろう。


16:17 佐賀駅に無事ゴール。今日もよく走った91.3km。
三日間の合計 257.8kmとなった。これだけ走れば満足感で一杯だ。そして全くのノントラブルであった。

九州の佐賀から、そしてこの時間から東京まで帰れるのだから信じられない。
学生時代、九州と言えばそれはそれは遠い異国のような存在だった。

本当に近くなった九州。
この辺りまでツーリングに来ることが、それほど大変ではなくなった。


17:35 リレーかもめに乗車。そして博多で新幹線に乗り換えれば、もう東京もすぐだ。
いつものように最後列席を予約し、たっぷりの宴会セットを用意して乗り込む。

あとは好きなように旅を振り返りながら、一人祝杯を上げる。
三日間の記録をアクションカメラで振り返っているうちに、下車駅の新横浜が近づいてきた。

サンライズに始まり、沢山の自転車道を巡ってきた今回の旅。
なかなか訪れることのない福岡県、佐賀県は、とっても魅力溢れる所だと教えてくれた旅だった。

 

距離: 91.3 km
所要時間: 7 時間 42分 32秒
平均速度: 毎時 11.8 km
最小標高:  12m
最大標高:  52m
累積標高(登り):  100m
累積標高(下り):  92m

(2024/4/11 走行)


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