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2024年4月29日(月)


「北投石の湯」のおかげか、すっかり疲れも回復した朝を迎えた。
朝食も豪華だ。例によって、大食いのサイクリストたち。すぐにご飯が足らなくなって御代わりだ。


二日目は、メンバーがもう一人増える。
カーサイで白馬に車をデポして、早朝ここまで走ってきた。これで6名全員勢揃いだ。
一人ロードで参加してきたが、こんなんで山岳登れるの? あまりに我々のランドナーとは違いすぎる。


 


K氏 Tommasini


今日も朝から気温が高い。そして、今日が一番ハードなコースだ。
距離58km 獲得標高1428m と高齢サイクリストにとっては厳しい内容だ。
それでもちゃんとエスケープルートを用意してあるから安心。危なくなったらショートカットする。


宿からは昨日最後に走った道を軽快に下る。落合から分岐して、いよいよ厳しい登りが始る。
この道は2019年、2021年、2022年にも走っているのでなんと4回目だ。

交通量の多い国道から離れると、すぐに静かな山村風景が広がってくる。
「熊出没注意」の大きな看板が設置されている。おぉー怖い怖い。


標高600mを越えた辺りで、こんな綺麗な桜に出会うことができた。
都会ではすっかり桜の時期は終わってしまっていたので、ちょっとした驚きだった。


今日のコースはかなり厳しい。気温も高く、なかなか調子がでない。
事前に目標タイムを設定してきたが、すでにスタートから15分遅れだ。やはり、今日も無理か・・・


雰囲気のいい登りだ。頑張れば頑張るほど展望が広がってくる。
辛い登りだが、楽しいお喋りが辛さを忘れさせてくれる。


珍しく作業中のおじさん二人に出会った。
「熊出ますか?」と聞いてみると、「熊? いくらでもいるよ!」ですって・・・まじですか?


標高935m、振り返れば見事なパノラマが広がってくる。ピークまであと100mだ。
後続と少し離れてしまったところで、突然携帯に連絡が入った。またパンクだ。

こんな路面でパンクするはずがない。やはりあのホイールには何か問題がある。
さっそく電動ポンプを持った自分と、元気いっぱいのK氏で下っていく。


約50m、”絶景のダウンヒル”を楽しむと、先ほどのトラックの横でパンク修理をしていた。
トラックのおじさんたちの姿は見えず、一人悪戦苦闘しているところに「JAF」が到着した。
こんな絶景の中でパンク修理とは・・・それも登りで。どういうことでしょうか、いったい。

さっそく昨日に引き続きタイヤを外す・・・が、このタイヤ、メチャクチャきつい。
ベテラン二人が、タイヤレバーを少しづつずらしてやっとタイヤが外れた。
やはり同じ場所がパンクしている。再度チェックするが、全く原因がわからない。もうギブアップ。


パンク修理が終わって再び登り返す。
大展望が癒してくれる。やはり、この時期にここへ来た者だけの特権だ。
いつまで見ていても飽きることがない。見事だ。本当に美しい。


すっかり予定も狂ってしまった。最初から厳しいと思っていたけれど、これで答えも出た。
とても乗れるような勾配ではないけれど、なんと一人だけ乗っている怪物が!
ギヤ比も一番高いのに、なんで平気な顔して乗ってるの? 電動? もー信じられない。


何度も通っている道なので、あとどれぐらい登ればいいか、だいたい見当がついている。
しかし、それにしてもやはり最後は厳しい登りだ。年々体力が落ちていくのがよくわかる。
そして最後に現れるのが、鬼無里への分岐点。さあどっちの道を行きますか、クイズだ。

過去3回中、2回青いコースを選んだ。というより、赤いコースは行く気もおきない直滑降のコースだった。
3回目に初めて赤いコースを下ってみたところ、なんてことはない、メチャクチャ楽なショートカットコースだった。

しっかりデータで調べてみると、距離も短く、登りも43mも少ない。これだけでかなりの時間短縮になる。
地図だけ見ているとこの差に気が付かないが、ちゃんと調べてみるとこうしたカラクリがあった。


一度この下りを経験しているから安心だ。
道は多少荒れてはいるが、たいしたことはない。それでも枝を引っかけたまま下っていく姿を後から追う。
あっと言う間に下りきった。本当にショートカットとはこういう道を言うのだろう。


いつものところで、いつもの二人で記念撮影。もう何回目かな?
ここから嶺方峠への登りが始る。
例年、早朝に嶺方峠を目指していたが、もう時刻は12:10になる。

車やバイク、そしてロードレーサーまで現れて賑やかな状況だ。
あまりにポピュラーな嶺方峠だが、なんとメンバーの2名、越えるのが初めてらしい。
ここ最近毎年越えている者にとっては信じられない・・・あの絶景を見たことがないの?


この時刻じゃ、いつもの絶景は観れないかもしれないけれど、それでもそんじょそこらの峠とは違う。
さあ、今年も「白沢洞門」の入口に全員集合だ。
今年の嶺方峠は・・・いったい・・・どーでしょうかね〜 とトンネルに入っていく・・・と


じゃーん! やっぱり絶景が待ってました〜!

ちょっと雲が多いけど、そしてかなりギャラリーが多いけど、それでもやっぱり感動ですね。
期待を絶対に裏切らない「嶺方峠」。やっぱりサイクリストの聖地です。
嶺方峠初めての2人も、相当感動してました〜


嶺方峠には、次々車やバイク、自転車がやってくるので、何枚か写真を撮ったら下り始める。
もう何度も下った道だが、コーナーを曲がるたびに視界に入ってくる残雪の山並みに魅了される。


白馬の街へ降りてくる。
目の前に広がるこの迫力、美しさは言葉にならない。


食料品店で昼食の材料を仕入れて、ランチポイントを探す。
大出の吊り橋を見学し、絶景の松川大橋へ向かう。


途中の撮影ポイントで「やらせ写真」を撮影。
残雪の北アルプスを背景に、今回もバッチリ決まりました!


松川大橋を渡った先の広場で、皆で輪になって楽しいランチの開始だ。
時刻は14:15  大パノラマを眺めながら、すっかり遅くなったランチタイムを楽しむ。


本来のコースは諦め、国道からショートカットコースを経由して来馬温泉へ向かう。
中土駅を過ぎ、姫川橋から国道と別れて裏道へ分岐する。

姫川第三ダム脇の道は、こんな雰囲気あるトンネルが待っていてくれる。
何だか、昔の嶺方峠を思い出させるような素晴らしいトンネルだ。


16:13 来馬温泉に到着。
ショートカットしたおかげで、クラブラン史上最も早く宿に到着したのではないだろうか?

いつもは、ヘロヘロになって、日没、ナイトランでゴールするのが恒例なのだが、今日は余裕ありすぎだ。
いつものように玄関に自転車を置かせてもらう。いつも助かります。


もうすっかり常連となった我々。女将さんが笑顔で出迎えてくれる。
玄関脇ではご主人が一生懸命そばを打っている。そば打ちの様子を見るのはこれが初めてだ。


時間もたっぷりあるので、今度こそと、パンクの原因を徹底的に調べて対策を練る。
どうやら問題はリムテープにあるのでは? という指摘から、自分の持ってきたビニールテープを巻いてみる。
再度、タイヤもホイールも調べたが全く異常なし。ここまでやれば気が済むってものだ。

そして部屋の中での電動ポンプの出番。音は凄いが、お客さんも少ないので迷惑はかからない。
これで最終日どうなるか・・・


ここは本当に料理が素晴らしい。過去のツーリングの様子を見てもらえばよくわかる。
今回も、飲兵衛がたくさん集まったので、お酒の量もいつも以上だ。
我々の後方に見える4人組のお客さんたちも、我々同様いい飲みっぷりだ。


まるで高級料亭のような、美しく、美味しく、お見事な料理が次々と運ばれてくる。
昼食が遅かったので、スタートは元気のない面々であったが、これだけの美味にいよいよエンジンがかかる。

海の幸、山の幸、地元の食材を使った和食料理にお酒が進む。
そして、なんたってこの猪肉の鍋が絶品だった! まいう〜!! ごちそうさまでした〜

距離: 53.7 km
所要時間: 7 時間 1分 42 秒
平均速度: 毎時 7.6 km
最小標高:  450m
最大標高:  1103m
累積標高(登り):  950m
累積標高(下り):  1142m

(2024/4/29 走行)


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