峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2024 >  茶屋町児島自転車道・下津井電鉄風の道・玉野市電廃線跡・間瀬峠



2024年5月24日(金)


今回のツーリングのきっかけは、岡山県のあるコンテナターミナルを見学できることからだった。
港湾施設、港湾物流、ロジスティクスに興味がある自分にとっては願ってもないチャンス。
せっかく岡山まで行くのだから、ついでにツーリングも楽しもう、という事だ。

2泊3日の「自転車&見学」の旅。こんなプランは初めてなので、準備にあれこれと悩むばかり。
通常のツーリングに加えて、見学するための用意も必要。着替え、資料などで輪行袋はかなり重い。

新横浜発のひかりに乗車。始発なので空いている。さっそく参考文献の続きを読み始める。
岡山駅で降り、まずはツーリングに不要な荷物を「ねこのてステーション」に預ける。これで身軽になった。


快速マリンライナーに乗り換える。
このまま行けばすぐに四国だ。四国と言えばいろいろと思い出が蘇ってくる。


2つめの茶屋町駅で降りる。今回のツーリングはこの駅からスタートする。
「茶屋町児島自転車道」、「下津井電鉄 風の道」を走るのは2回目だ。前回は2013年9月に走っている。
この駅から、ぐるっと左回りに巡って岡山まで戻ろうというコースだ。

駅前から自転車道が始まっている。すぐに前回の記憶が蘇ってくる。
すぐに自転車に乗った街の人たちと、次々にすれ違う。住民にとって、安心の生活道路のようだ。


時刻はすでに10:33 ゴールまで79.2kmも残っている。
果たして目標時間通りにゴールできるだろうか?

最初に現れた駅跡は「天城駅」。
前回来た時には、こんなきれいな駅名表示はなかったと思うのだが・・・


藤戸駅もきれいな駅名表示になっている。どれどれと前回の写真と比べてみると、一目瞭然だ。
前回来た時は、いまにも倒れそうな朽ち果てた駅名表示だったが、すっかり綺麗に整備されている。
せっかくの自転車道だ。岡山県もしっかり予算をとって整備していることがわかる。


このバスも衝撃だった。ボロボロの車体はそのまま残っていたが、かなり風化が進んでいる感じだった。
どれどれ、と比べてみると、やはり錆がかなり広がってきて、より一層「迫力」が増している。
それにしてもこの大きな「荷物」、所有者はどうしようとしているのだろうか?


こんなに駅が沢山あったっけ? と驚くほど、次々に駅名表示が現れる。
きっと、朽ち果ててしまった駅名をちゃんとお金をかけて修復したに違いない。さすがだ、岡山県。

前回来た時、「ひえだ」駅前の公園では、子供たちが元気に遊んでいたが、今日は誰もいない。
しかし、賑やかな幼稚園の子供たちと出会うと、元気に「こんにちわ」と挨拶してくれる。
前回感じた時と同じように、この街は本当に子供たちが元気で生き生きしている。


走りやすい道が続く。
一つ一つの駅で写真を撮っていると、住民の方は不思議そうな顔をしてこちらを見ていく。
どの駅跡もきれいに整備されていて気持ちいい。きっと周囲の方たちの協力なのだろうと感じる。


児島の街に入ると、交差点のこんな派手な看板に驚いた。


児島ジーンズストリート

倉敷市の児島地区は古くから繊維産業が盛んなエリアで、1960年代に日本で最初のジーンズが作られた「国産ジーンズ発祥の地」であり、“ジーンズの聖地”といわれています。
https://www.fiat-jp.com/ciao/jeans-street/


ぐるっと周囲を巡ってみる。とにかくジーンズショップだらけだ。
平日の午前中で、まだ開店間もないのでお客さんの姿もほとんど見ることはできなかった。
それでも、やはりジーンズの聖地と言われるだけのことはある。好きな人にはたまらない所だろう。


ここからは「中国自然歩道 風の道」の表示に変わる。
次々と変化していく風景、昔ながらの町並みが続く。


駅名の表示に「風の道 WIND STREET」と書かれている。
この駅名表示は以前来た時と同じだ。当時の記憶が蘇ってくる。


児島競艇場の横を通り過ぎる。
琴海(きんかい)駅からは、心地いい風が吹き抜け、美しい瀬戸内の景色が広がってくる。
素敵な道だ。歩行者と自転車のための「風の道」。優雅で贅沢な景色がしばらく続く。


風の道のクライマックスはこの「鷲羽山(わしゅうざん)駅」。
ここの展望台からは、瀬戸大橋(下津井瀬戸大橋)と初めて対面できる。
四国へ続く橋の全貌はここからは見れないが、大きく、立派で、そして美しい橋だ。


下津井駅に向かって風の道は徐々に下っていく。
そして最後に小さなトンネルを抜けると下津井駅が現れる。


懐かしい下津井駅。展示されている車両が、きれいに塗りなおされて輝いている。
以前と同じように、駅のホームに自転車を置いて記念撮影だ。


今日も全く誰もいない。
駅の周辺は結構広いが、シーンと静まり返った昼下がりだ。


前回泊まった旅館もそのまま残っている。たこ三昧の料理が今でも思い出に残っている。
また味わいたいが、現在も営業しているのだろうか? 

静かな下津井港で小休止したいところだが、今日は時間の余裕がない。
ここまで、のんびりと写真を撮りながらきたので、予定より20分ほど遅れている。
海岸線に沿って走っていくと、瀬戸大橋の姿が大きく近づいてくる。


下津井漁港の真下で瀬戸大橋をくぐる。
遥か遠くまで続く橋の姿が見える。この先は四国かと思うと、随分遠くまで来たものだと感じる。

鷲羽山下電ホテルは、何かイベントがあるのか、かなり賑わっている。
ホテル前には、駅名表示と車両が展示されている。
ここのホテルも眺めが良さそうだ。今度来るときは、ここにお世話になるのも良さそうだ。


再び児島競艇場まで戻ってきた。本日はちょうど開催日のようで、軽快なエンジンの音が聞こえてくる。
すぐ脇の道へ入ってみると、外から競艇場の中を覗くことができる。

少々見学しましょう、とレースの様子をカメラにおさめる。
競艇のルールはよく知らないが、コーナーの曲がり方でかなり差がつくことがよくわかる。

あまりのんびりしていられない。下津井から平坦路になったので、ここでようやく追いついた。
13:11到着予想の地点に、若干の遅れ迄回復してきた。しかし、まだ昼飯を食べていない・・・


昼食もコンビニのおにぎりで済ます。
近くの公園で休憩を兼ねて昼食にするが、これで再び20分遅れになる。
ちょっと脇道へ入ってみると、古い町並みの中に、小さな造り酒屋や、古めかしい薬局が並んでいた。


海岸線を気持ちよく快走する。遠く瀬戸大橋の姿が見える。
交通量も少なく、穏やかな眺めが続く、気持ちのいいシーサイドコースだ。


かなりいいペースに戻ってきたので、渋川海岸で小休止。
何か映画のワンシーンにでも出てきそうな美しい海岸だ。


宇野の街に入ると、「玉野市電廃線跡」の遊歩道が現れた。
http://tamanosiden.la.coocan.jp/haisenato.html

全く予想していなかった廃線跡だったので、驚いてしまった。
適度にカーブしたトンネルが次々と現れて、ワクワク・ドキドキの連続だ。


雰囲気バッチリの「素掘り風」のトンネルも、ちゃんと整備されているので安心して走ることができる。
住民にとっては、安心して走れる街中の近道のようだ。


せっかくここまで来たのだから、ちょっと「玉野競輪」を覗いてみることに。
時間があれば、1レースでも観てみたいところだが、入口の様子を写真に撮るだけにしておいた。
地方の競輪場へ行くと、その地方の雰囲気が一番よくわかる。

警備のおじさんに何か注意されそうなので、すぐに退散してきた。
ここまでの走行距離54km、残りは25kmとなってきた。


最後はこの小さな峠を越えればフィナーレだ。
「間瀬峠(標高58m)」の小さな峠だが、峠はこんな石像、石碑だらけの賑やかな峠だ。


何が何だかわからない峠だ。一体この多くの物体は、何を意味しているのだろう?
隣の池で釣りをしている人に聞いてみようかと思ったが、こちらに会釈をしていなくなってしまった。
どうにも腑に落ちないので、帰宅後調べてみたらこんなサイトが見つかった。


玉野・間瀬峠 ユニークな石庭公園完成
https://tv.kct.jp/program/detail.php?id=8009


時刻は16:04 なんと予定時間通りだ。昼食の遅れも取り戻し、これでゴールが見えてきた。
峠を下ると、次は「児島湾締切堤防」を渡る。
なかなか馴染みのない道なので、解説板を真剣に読んで渡る。


旭川の土手に出れば、いよいよゴールが近づいてくる。あまり水量はないが、川幅は結構ある。
ずっと土手沿いに走れるのかと思っていたが、すぐに車道と合流だ。なんだよ、つまんないな・・・
岡山城跡辺りまでずっと川沿いに行くつもりだったが、交通量が多いので途中からエスケープする。


17:26 無事に岡山駅に到着。18時到着予定に対して、30分早くゴールすることができた。
まず向かったのは、駅脇にある「駅リンくん」だ。

ツーリングは今日一日で終わり。あとの二日は見学と講義で自転車は全く不要でお荷物になる。
ホテルに預けてもいいが、駐車場もなく、駅からかなり遠く、帰りが不便。
ということで、輪行袋に入れて、帰るまでここで預かってもらうことにした。

事前に調べたら、こうした大型荷物を預かってくれる所はここしかなかった。
さっそく輪行し始める。係の人も自転車に詳しく、輪行の様子をずっと眺めていた。


ここは、通勤用にレンタサイクルを契約している人が多い。
帰宅時間になると、次々と自転車を返却しに来る。「お帰り〜暑かったねぇ〜」と元気な声が響く。

輪行袋を預けて、次に駅構内の「ねこのてステーション」で、朝預けた荷物を受け取ってホテルへ向かう。
ふぅ〜、ゴールするなり輪行して、預けて、荷物を受け取って、そして歩いてホテルへ向かう・・・忙しい。

ようやく長い一日が終わった。
いつものツーリングなら、ここから楽しい宴会だけど、今回は何やらやることだらけの仕事モードだ。
明日の準備もあって、なかなか落ち着かないエンディングとなった。

 

距離: 79.5 km
所要時間: 7 時間 13分 16秒
平均速度: 毎時 11.0 km
最小標高:  4m
最大標高:  69m
累積標高(登り):  258m
累積標高(下り):  241m

(2024/5/24 走行)


2024年5月25日(土)〜26日(日)


ついでに、その後の二日間の様子も簡単にレポートしておこう。

岡山駅からバスに乗って岡山大学へ向かう。そしてチャーターしたバスで見学に出発だ。
この日は、午前中にある会社のコンテナターミナルを見学し、午後から講義だ。

なかなか入ることのできないコンテナターミナルは別世界だ。
巨大なガントリークレーンの真下を通過したり、港湾倉庫の中を詳しく見学した。
デバンニングの様子や、滅多に見れない、自動車船への車の積み込みの様子を見学。まあ、何とも大変な作業だ。


岡山の街は自転車だらけで賑やかだ。
自転車店も沢山あるし、専用道、レンタサイクル、駐輪場も整備されている。
そして皆さん、信号をちゃんと守っている。東京では絶対に見ることができない光景だ。

楽しかったツーリング&見学の2泊3日の旅。
充実していたが、とにかく荷物のやりくりが大変だった。
帰りに輪行袋を受け取って、不要なフロントバッグ、サドルバッグ、資料などは宅急便で送り返した。


峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2024 >  茶屋町児島自転車道・下津井電鉄風の道・玉野市電廃線跡・間瀬峠