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その2(No30〜No.59)



坂道シリーズも第4弾になった。
これまで、大田区、目黒区、品川区の坂を巡ってきたが、今回はいよいよ世田谷区に挑戦だ。
世田谷区は面積も広く、坂の数もこれまでの中で一番多い。
これまでの経験から、かなり時間が必要だと思い、数日かけて巡るプランを考えた。
 

赤いアイコンをクリックすると、坂の写真 と解説を見れます。

参考資料


坂道巡りに関して、かなり参考になる書籍とホームページを見つけた。

「坂学会」のHPは素晴らしく、完璧なデータで坂道の詳細が網羅されている。

「大江戸坂道探訪」

「タモリのTOKYO坂道美学入門」

坂学会 「東京の坂」リスト 【23区】内
http://www.sakagakkai.org/profile/list-Tokyo23ku.html

 

それでは、坂道巡りスタートです(その2)
(全58坂のうち、No.30〜No.58まで)


とうかん坂
 
とうかんざか

(標識なし)

30/58坂 その昔、自転車事故で救急車で運び込まれた玉川病院の脇にある階段坂。その時乗っていたのがこの自転車。自転車は無傷だったが、人間の方は額と指に怪我を負った。なんだかここへ来ると当時のことを思い出してしまった。この坂は自転車で下るわけにいかず、自転車を置いて往復してみた。深い森の中の静かな階段で、都会の喧騒を忘れてしまうような雰囲気だ。


等々力の坂
 
とどろきのさか

(標識なし)

31/58坂 目黒通りから環八を越えて、多摩川へ向かう途中の坂。等々力渓谷の脇を行くまっすぐな坂。かなりスピードが出る坂だ。
道幅も広くて走りやすい坂だが、交通量もあるのでスピード出しすぎ注意だ。


弔い坂
 
とむらいざか

(標識あり)

32/58坂 住宅街の中の、細く曲がった坂道。ちょっと物騒な名前の坂道だが、坂学会によると「昔 土葬のころ,死者を乗せた輿を 近隣の若者たちが担いで,安穏寺へ運んだみちだったから」と書いてある。400m程先に安穏寺がある。


どんぐり坂
 
どんぐりざか

(標識なし)

33/58坂 成城の高級住宅街の中を通り抜ける小道だ。ほとんど徒歩のための坂で、車両は通ることが出来なくなっている。自転車なら押していくことができるが、わざわざここを通ろうと思う人はいないだろう。坂下の入口に自転車を置いて途中まで上ってみた。ちょっとしたハイキング道のような感じで、深い緑に覆われた空間はなかなか気持ちがいい。


なが坂
 
ながさか

(標識なし)

34/58坂 樫尾俊雄発明記念館のすぐそばの坂道。野川に平行するように通っている道。成城四丁目緑地の脇なので、とても緑が豊かで静かな小道だ。勾配もきつくなく、上品な雰囲気が漂う高級住宅街の坂道だ。


なかんだの坂
 
なかんだのさか

(標識あり)

35/58坂 「成城三丁目崖の林市民緑地」の案内図にこの坂の名前がある。この緑地の横の細い道が「なかんだの坂」のようだ。緩く曲がった坂道が住宅の脇を通っていく。ひっそりとした、誰も通らない静かな坂道である。勾配は意外とあるので、自転車で上るには結構疲れる。下る際は見通しが良くないのでゆっくり下ろう。


八幡女坂
 
はちまんおんなざか

(標識あり)

 

36/58坂 岡本公園の脇にある坂。標識がなかなか見つからないので、八幡神社入口にある保育園の保育士さんに聞いてみた。すぐ横の住宅の脇に立派な石碑があって、「右 おんな坂」と刻まれていた。坂は階段状になっていて、途中まで自転車を押していったが、途中で諦めて、自転車を置いて周辺を一周してきた。静嘉堂文庫美術館のすぐ裏手なので、どこかでつなっがいるのかもしれない。深い緑に覆われた、とても静かな一帯である。


八季の坂路
 
はっきのさかみち

(標識あり)

 

37/58坂 砧公園内にある小さな坂。公園内なので、ほぼ坂とは言えないような緩やかな道だ。坂学会の説明によると、八季とは季節を八つに分けて、道の両側を季節の植物で植栽するようだ。
@早春の花 A春の花 B初夏の花 C梅雨の花 D夏の花 E秋の花 F晩秋の花 G冬の花
残念ながらちょうど工事中で通り抜けることができない。また日を改めて来てみよう。


花火坂
 
はなびざか

(標識あり

38/58坂 桜上水駅前に集中している5つの坂の一つ。坂の上より南側に二子玉川・川崎の花火がきれいに観えることからこの名前がついたようだ。道路脇のフェンスに小さく「花火坂」の標識が掲示されている。面白い由来の坂だ。


馬場坂
 
ばばざか

(標識なし)

39/58坂 北沢公園へ上っていく坂道。住宅街を抜ける、やや勾配がある坂道。道幅もあるので交通量もある。坂の途中に「長命地蔵尊のお堂」がある。


原の坂
 
はらのさか

(標識なし)

40/58坂 目黒通りから上野毛通りに分岐して、環八へ向かう途中の坂道。坂道としては緩やかな直線の通り だ。交通量が多いので、坂道の雰囲気はほとんどない。坂を下った辺りに立派な「天祖神社」がある。


半田坂
 
はんだざか

(標識なし)

41/58坂 菅原天神通りから二つの坂が分岐しているが、右側の坂が「半田坂」。住宅街を抜ける緩くまっすぐな道だ。かつてこの辺りは半田塚村と呼ばれたことからこの名前がついた。


ビール坂
 
びーるざか

(標識なし

 

42/58坂 坂学会によると、かつて坂下にサッポロビールの工場があったことから、この名前がついたと書いてある。 見通しもよく、適度な勾配の坂道なので、自転車で下ると爽快だ。下から上ってくるサイクリストと出会ったが、この坂なら降りずに上っていけるだろう。この辺りは野川を含めて素敵なポタリングコースだ。


病院坂
 
びょういんざか

(標識なし)

43/58坂 成城三丁目緑地の横を行く坂道。名前の由来はわからないが、かつて病院があったのだろうか。道幅が広く見通しのいい坂道なので、下りはかなり快適だ。距離が長い坂なので、下から上る際は嫌になる坂だ。歩道もあるので安心して押していける。


深沢坂
 
ふかさわざか

(標識あり)

44/58坂 深沢のバス通りにある坂道。信号の表示やバス停に「深沢坂」の表示を確認できる。坂としては緩やかな傾斜で、自転車でも難無く上ることができる。車が多いので、あま り通行したくない坂道だ。


富士見坂
(池尻)
 
ふじみざか

(標識なし)

45/58坂 北沢川へ向かって下っていく、交通量の多い坂道。完全に車道なので、歩道からの写真撮影だ。緩い勾配の坂道なので、通行するのには苦労はしない。名前の通り、昔はここから富士が見えたのだろう。

不動坂
 
ふどうざか

(標識なし)

46/58坂 成城の住宅街から野川へ急降下する坂道。カーブしながら行き来する坂道は、車でも難儀する坂道だ。上りも下りも気を付けないと非常に危険な所だ。下から自転車で上るには、かなりのローギヤが必要だ。電動自転車でやっと上れる感じだ。坂を下ると小田急線の下をくぐるが、その横に喜多見不動堂がある。いつもスピードがでて下っているので、喜多見不動堂の存在に気付かなかった。

ヘビ坂
 
へびざか

(標識あり)

47/58坂 成城三丁目緑地内にある坂道。場所が分からず周囲の案内図を見て場所を確認した。上側の入口から入ってみると、ヘビ坂の案内を見つけた。入口には「自転車からおりて通行してください」の注意書きがあった。この坂を自転車で通行する人がいるようだ。病院坂をいくよりこちらの方が静かで安全 なのかもしれない。

細道坂
 
ほそみちざか

(標識あり)

 

48/58坂 桜上水駅前に集中している5つの坂の一つ。駅前から住宅街を抜ける細い道。坂の名前もその細さからついたと思われる。歩行者のための小道で、自転車で走ると少々迷惑だ。坂と言えるほどの勾配はなく、わずかに傾斜しているといった感じだ。

まむし坂
 
まむしざか

(標識なし)

49/58坂 駒沢通りが多摩川へ向かう途中にある坂。左の写真が「まむし坂」かと思ったら、下って合流した先が「まむし坂」だった。どちらもくねくねしているので間違えてしまった。写真を撮っていないので、グーグルストリートビューからお借りした。
交通量があるので、自転車で走りたくない坂だ。

丸坂
 
まるざか

(標識なし)

 

50/58坂 成城の高台の住宅街から野川へ下る坂道。距離も短く、勾配もきつい難所だ。坂道は途中でクランク状に曲がっていて、車で通行するのも大変だ。危険な道だけに一方通行になっている。徒歩や自転車ではヒーヒー言いながら上ることになるだろう。できれば避けて通りたい急坂だ。

満願寺坂
 
まんがんじざか

(標識なし)

51/58坂 目黒通りが環八方面へ向かう途中にある、玉川神社前の坂道。激しい交通量の中、緩く目黒方面へ向かって上っていく。自転車ではちょっと気合を入れないと、距離があるので辛いだろう。満願寺は、目黒通りの脇に入った所にあるお寺だ。

宮の坂
 
みやのさか

(標識なし)

 

52/58坂 東急世田谷線の宮の坂駅の西側。世田谷八幡宮の東脇を通る坂。緩い坂道が世田谷八幡宮に沿って続いている。駅に向かう人で人通りや車も結構多く、賑やかな通りだ。坂の勾配としてはたいしたことなく、乗ったまま上っていける。

明神坂
 
みょうじんざか

(標識あり)

 

53/58坂 環八から丸子川へ下っていく坂。かなり急な坂で、路面は滑り止め防止加工がされている。坂の途中に立派な標識があり、それを利用して自転車を固定する。クランク状に曲がる坂で、下りきると丸子川の明神橋に出る。下から上るのは大変だ。

向田坂
 
むこんでざか

(標識なし)

 

54/58坂 尾山台から環八を越えて、多摩川へ向かう途中にある坂。下から見ると壁のような坂だ。小学生が上っていったが、とても辛そうだ。お家に帰るのに毎日この坂を上り下りするのは大変そうだ。この坂の対面に地頭坂がある。

無名坂
 
むめいざか

(標識あり)

 

55/58坂 馬坂を上った先にあるのが無名坂。閑静な住宅街が広がる中にあるのが、仲代達也の「無名塾」。壁には銅製のプレートが埋め込まれていて、こう書かれている。
無名坂 若きもの 名もなきもの ただひたすら 駆けのぼる
        ここに  青春ありき  人よんで     無名坂   1975年始まる 無名塾 仲代達夫

無名塾の前は緩い坂だが、その先は急坂に変わって下の道と合流する。なんと、21%勾配の標識がある。

寮の坂
 
りょうのざか

(標識あり)

 

56/58坂 尾山台から環八を越えて多摩川へ向かう途中にある坂。坂の頂上に立派な標識が建っている。
多摩川へ向かって気持ちのいい下りを楽しめる。眺めもいい。

谷戸坂
 
やとざか

(標識なし)

 

57/58坂 砧公園へ向かう、広い道幅のまっすぐな坂。激坂ではないが、普通の自転車で上っていくには立ち漕ぎが必要だ。小さな子が頑張って上っていったが、電動自転車でなければ辛そうだ。逆に、上から下るには眺めもよく快適な坂だ。スピードが出すぎるので要注意だ。


テコテン坂
 
でこてんざか

(標識なし)

58/58坂 月夜にタヌキが出没してテコテンと踊ったというのでその名がついた言われている。とてもユニークな由来だ。細かな道が入り組んだ住宅街の坂道で、ほぼ直線的に上っていく。勾配はたいしたことはない。近くに小学校があるため、登下校の時間帯には注意が必要だ。

走り終えて

世田谷区の坂道巡りは、数も多く、広範囲に存在しているのでこれまでで一番時間がかかった。
しかし、成城付近から多摩川へ至るエリアに坂道が集中しているために、比較的走りやすかった。
多摩川付近の坂はどこも勾配がきつく、自転車ではつらい坂ばかりだ。

一つ一つの坂にはそれぞれの歴史や由来があって、こうして調べてみると新しい発見につながる。
自分の街の再発見につながる坂道巡りは、これまで走ったことのない道を辿るので新鮮で面白い。
さて、次はどこを走ろうか? 港区? 渋谷区? それとも川崎市? こうご期待。

(2024年6月 走行)


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