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2025年5月6日(火)


二日目は天気予報の通り、冴えない空模様だ。
今日はまず糸魚川へ向かうのだが、親不知子不知を避けて山越え、峠越えをするコースだ。

しかし今日のコースは今回のツーリングで一番厳しい。
かなり距離があり、最後は登りゴールという始末だ。

さらに雨模様となれば気分ものらない。
タンデム組は果たして走りきれるのだろうかと、当初から心配していた。


雨雲レーダーを見て状況を確認する。大雨にはなりそうにないが、一日パラパラと降られるかもしれない。
朝食を食べ、どうするかと皆で作戦会議が始まった。

ここで驚いたことに、タンデム組は当初からこの山越えを走る考えはなく、なんと「サイクルトレイン」らしい!
なぬ?「サイクルトレイン?」 そんな手があるの? と驚いた。

タンデム組はサイクルトレインで一気に糸魚川の先までワープしようという作戦らしい。
冴えない天気で戦意喪失だったが、そんな手があったのかと一気に元気が出てきた。


宿の前で女将さんに写真を撮ってもらった。残念ながら少々ピンボケとなってしまった・・・

丸印の二人はこの時の集合写真に間に合わなかった二人。
一人は別行動で氷見へ向かうために、すでに出発していて、もう一人は出発準備中で間に合わなかった。


さて、山越えか? それともサイクルトレインか? 答えは出ないまま、とりあえず駅へ向かう。
パラパラと小雨が降る中、雨具を着るか着ないか迷いながら走りだす。

早朝の海岸線は昨日と違って、視界も悪くひっそりとした雰囲気だ。
前を行く派手なカラーの雨具だけがよく目立つ。

20分ほどで「市振(いちぶり)駅」に到着。無人駅だが、駅舎は結構立派だ。


クラブラン始まって以来の試みだ。全員でサイクルトレインに乗ろうか? という作戦。

すでに心は「乗り鉄」になっていて、ワクワクしながら乗車準備を整える。
しかし、ここで大変な事実が判明した・・・


パンフレットをよく読むと・・・こんな注意書きが・・・
「自転車のお持ち込みは1両につき
最大5台とし・・・」 げげ!! まずい!! こちらは8台だぞ!


再び緊急会議の招集だ。もし乗れなかった場合どうする? 
「俺は走ってもいいよ」なんて言う人もいれば、「次の列車で行く」という人も。

次の列車は1時間半待ちだが、それでも山越えよりは早く着く。ここでグループ分けをすることになった。
乗れなかった場合を考え、先発隊と後発隊に別れて乗車しようということになった。

それじゃぁ、と昨日の「パンク三兄弟」が後発隊となって列車を待つことになった。
ホームには反対側の列車を待つ乗客が2名。あとは我々だけだ。

果たして全員乗れるのだろうか・・・混んでるのかな・・・ドキドキしながら列車が来るのを待つ。


愛車紹介コーナー


待ち時間を利用して、全員の愛車を写真に収めた。
雨対策でバッグ類やサドルにカバーがかかっている。こうした姿もなかなか珍しい。

それぞれオーナーの顔写真付。スペシャルマシンの各車をゆっくりご覧ください。
説明不可能なマシンばかりなので、写真だけで勘弁してください。


いよいよ乗車!


いよいよ列車がやってきた。どうやら2両連結だ。2両目には「大の里」のラッピングがされている。
幸運なことに、車両はガラガラだ! これなら全員一気に乗車できそうだ。


そんな大騒ぎの乗車シーンをどうぞ!

●Youtube 動画 サイクルトレイン乗車

https://youtu.be/RVJ_oZaTf2Y


空いていてよかった。これなら5台の制限も大丈夫だろう。
タンデムもちょうどピッタリサイズ。自転車8台を置いてもそれほど邪魔にならない。よかった〜!


運賃(550円)自転車(290円) 合計 840円だ。
下車駅で運転士に「現金」で払うため、事前に細かいお金を用意しておかないと迷惑になる。

支払いに手間取っていては、列車遅延の原因になってしまう。
そのため事前に両替機で用意しておくのだが、何人もが両替した影響で、両替機の小銭がなくなってしまった。

運転士は、安全運転とともに、両替機の操作、運賃収取と大忙しだ。
これでは自転車が何台乗ったかなんて数えている余裕はない・・・ホント、ご苦労様です。

30分少々、楽しい「乗り鉄」を満喫して梶屋敷駅に降り立った。


実に楽しいひと時だった。こんな経験は初めてだった。みなさん、子供に戻ったような喜びだった。

降りる駅によっては、階段があったり移動があったりする。
この駅はほとんど自転車にとってはバリアフリーの駅だ。さすがデモンタ組、しっかり調べてきている!


サイクルトレインの威力はすさまじかった。時間短縮、体力温存、危険回避・・・最高だ!
こんな天気の日は、安全第一。無理して山越えしてもいいことなし。正しい選択でした。

これですっかり今日の予定は余裕が出てきた。のんびりと自転車道を楽しみましょう!


残念ながら小雨がパラつく天気となってしまった。それでも予想していた雨より全然弱い雨だ。
この先は以前走った「久比岐自転車道」を行く。


自分はここを走るのは3回目。
思い出すのは2016年5月、こころ旅の火野正平さんに出会った時だ。

ここへ来るたびに当時のことを思い出す。地元が一緒だけあって、特別の思いがある。
またここへ来ることができて幸せだ。ここはお気に入りの自転車道のひとつだ。

車道と完全に分離された自転車道は、高い所から日本海を眺めることができる極上の道だ。
天気は少々冴えないけれど、雄大な日本海を左手に見ながらの快走は言葉にならないほど贅沢だ。


途中で男女三人組のサイクリストに出会った。どうやらショップ経営の方とその仲間のようだ。
我々の姿を見ると思わず立ち止まって立ち話が始まった。

やはり彼らにとっては我々は「異邦人」に見えたのだろう。いろんな質問を浴びせられた。
そりゃそうでしょう、エルスのタンデムまでご対面したのですから・・・


ランドナーにもっと質問が来るかとおもいきや、なんとこの方はウェアに惚れ込んだらしい。
「え〜、これ凄いステキ!」といろいろ質問してくる。写真を撮ってなんとか入手したい様子だった。

同じサイクリストとはいえ、やはり人種が全然違う。走りも、時間の使い方も、楽しみ方も違う。
こっちの世界も楽しいですよ、とつい誘いたくなってしまう。


「久比岐自転車道」は次々と変化があって飽きさせない。
トンネルの連続が続くあたりがこのコースのハイライトだ。


初めてここを走る人にとっては、なんてきれいに整備された自転車道なのだろうと驚くはず。
自分は3回目になるが、何度来てもここの素晴らしさには感動する。

●Youtube 動画 久比岐自転車道
https://youtu.be/aF7gUOJ-poA


本当はもう少し天気が良ければ、もっともっと美しい日本海が見れたのだが、それでも十分な満足感だ。
こんな素晴らしいコースをタンデムで楽しむお二人。最高のコースじゃないでしょうか!


今日の昼食は、国道沿いの「シーサイド磯貝」へ。
昨日は大混雑で、海の幸を味わえなかったので、今日こそはとやってきた。

ちょうどタイミングよく全員すぐに席に着くことができた。
注文したのは当然これ! 全員で「海鮮丼」祭りだ。もちろん、めっちゃ美味しかった!


サイクルトレインのおかげで、すっかり時間に余裕ができた。
食後はお店の駐車場脇でティータイムとしゃれこむことにした。

各自せっかく持ってきた道具でお湯を沸かす。あーだこーだ言いながらコーヒーを楽しむ。
いいですねぇ、こういう時間。いつもは峠や林道でヒーヒー言っているけれど、今日はこの笑顔だ。


宿までの距離もたいしたことはない。今日は余裕でゴールできそうだ。
ほとんど登りはなかったので、全員体力が有り余っている。でもやっぱり辛いより、楽な方が全然いい。


単調になりがちな海岸線のコースだが、ここは景色に変化があって実に魅力的だ。
さらに仲間とワイワイおしゃべりしながら走れば、残りの距離もあっという間だ。

一人で走ればじっくりとこの自転車道を味わえるし、皆で走ればより一層楽しさが増してくる。
どんな自転車でも、そして大人も子供も安心して走れる素晴らしい自転車道だと思う。


雨が上がり空が明るくなってきた。

もう少し遅い時間になれば、夕日がきっと美しく見れるはず。
一度ここからの夕日をたっぷり堪能したいと思っているのだが、今回もそれは叶わなかった。


名立で小休止。前回はこの先の有間川から宿に向かったのだが、今回はコース変更をしてみることにした。
時間にも余裕があるし、同じ道じゃ変化がないので、ここから南下することにした・・・のだが・・・

本日のコース、最後は登りゴールとわかっていたので覚悟はできている。
海から宿まで約150m程登らなければならない。だらだらと緩い坂が10km続くとわかっていた。

今回の新しいコースも当然同じぐらいの登りだろうと読んでいたのだが・・・


海岸線から離れると、正面に再び残雪の山が見えてきた。
最後になってまたこんな景色に出会えるとは驚きだ。

名立川に沿った道は、景色もよく、車も全く通らない静かな田舎道だ。
「なかなかいいじゃないですかぁ〜」と雰囲気のいいフィナーレに満足していた。


5万図で選んだこのショートカットコース。
細かな等高線まで読み切れないので、多少の誤差は仕方がないが、結構登りがキツイ・・・

あれ? 前回はこんなに急勾配の登りなんてなかった記憶があるんですけど・・・どうなってんの?
最後の最後になって。本格的なヒルクライムになってきた。

やはり前半「サイクルトレイン」でワープしたことのバチが当たったか・・・
一人でさえキツイ登りなのに、タンデム組は相当大変な様子。今にも倒れそうな気配・・・


停まって確認すると、なんとこの激しい登りでフレームが「縮んで」しまった! えっ? 何?

そう、そうなんです・・・デモンタの”あるある”で、パイプの分割部が前方へ動き、フレーム全体が縮小!
その影響でチェーンは弛み、ブレーキがあまくなる・・・らしい。ひぇ〜そんなことが起きるんだ!


直すのは簡単・・・でもないけど、後ろに引っ張って元通りの「サイズ」に戻せばいい。
もう、見ているだけで驚きの連続だ。慣れた手つきですぐに「修正」完了!


いったいなんでこんなに登らなきゃいけないのか? と、だんだん不機嫌になってきた。
帰宅後詳細に調べてみた。

結果わかったことは、距離が短いうえに、標高差も52m多かったことが原因だ。
「今日はあまり汗かいていないからちょうどいいね!」ということで、いい運動になった一幕だった。


こんなはずじゃなかった山越えをクリアして、やっと前回の道に合流した。これでもう安心。
そこから宿までは、記憶にある風景が続いていた。

最後、ゴールするまでの道筋はなかなかいい雰囲気だ。
16:30 今日も無事に全員ゴール。2021年11月に続いて、「くわどり湯ったり村」二度目の宿泊だ。


下駄箱には「粋輪会 御一行様」が掲示されていて気分も上々だ。
前回も料理がとてもよかったので、今回も楽しみだ。

汗を流した後、まずは簡単に祝杯をあげる。そしてお待ちかねの夕食会場へ。

御馳走が次々に運ばれて、昨夜に続き今宵も楽しい宴が始まった。
海の幸、山の幸が豊富なメニューがずらり。そして名物がこの山菜釜飯だ。

炊けるまでに30分かかるから、すぐに食べようと思ってもダメ。あとでじっくり味わいましょう。
今年も大満足の夕食に皆さん満面の笑顔だ。

もちろん今宵も二次会で盛り上がる。
たっぷり氷をもらって、いつものように「よもやま話」がいつまでも尽きなかった。

 

宿

市振駅

距離: 4.9 km
所要時間: 0 時間 18分 24 秒
平均速度: 毎時 15.9 km
最小標高:  6 m
最大標高:  13 m
累積標高(登り):  8 m
累積標高(下り):  0 m

梶屋敷駅

くわどり湯ったり村

距離: 38.3 km
所要時間: 5 時間 51分 44 秒
平均速度: 毎時   6.5 km
最小標高:  10 m
最大標高:  269 m
累積標高(登り):  406 m
累積標高(下り):  195 m

(2025/5/6 走行)


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