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2025年7月5日(土)


今朝の朝食も豪華だ。こんな朝食は滅多にお目にかかれない。
とにかく全館畳敷きの館内は気持ちがいい。やっぱり日本人には「畳み」が嬉しい。


素晴らしい宿だった。昨日に続いて、またまたお気に入りの宿に決定だ。
自転車も大切に扱ってくれるし、とにかく丁寧なおもてなしが素晴らしい。

出発時には、ちょっとしたお土産までいただいてしまった。
そんなちょっとした心配りが最高だ。


カーサイでやってきたY氏は、車を回収するために宿の車でバス停に向かった。
あとで村上で合流し、昼食を一緒に食べる予定だ。
ということで、残念ながら記念撮影に参加できず、残った8名で撮影だ。


早朝の荒川の土手道は実に気持ちがいい。
後方に広がる山並みは、背後に飯豊山地を控える眺めだ。


昨日は山形県から新潟県に入ってきた。そして今日は日本海へと向かう。
荒川を離れ村上へ向かう。最終日は小さな峠を一つ越えて、村上の観光がメインだ。


昨日の宇津峠で何もかも燃え尽きた。あまりにハードだっただけに、今日はもう気合が入らない。
標高106mの桃川峠までは直線的な登りが続く。


昨日の宇津峠に比べて、いとも簡単に桃川峠に到着。道幅の広い車道の、小さな峠だ。
せっかくなので峠の標を探すが何もないようだ。


道路脇にはこんな案内があった。「さわやか街道 歴史とロマンの里・桃川」。
今日はこの峠を越えてしまえば、もうほとんど登りはない。

どんな峠かと調べてみると、なんとここは心霊スポットとしても有名らしい。
沼付近では心霊体験をした者が多々いるというが、そんな雰囲気は全く感じることはなかった。


交通量も少なく、道幅の広いダウンヒルを楽しむ。
首から下げたアクションカメラをくるっと後ろに回して、得意の「背面撮り」だ。

動画で前方を撮影するのは簡単だが、後方を撮影することはこれまでできなかった。
何度か練習して、背面撮りもだいぶうまくなった。そんな様子がこの映像だ。


100m程の小さな峠だが、ダウンヒルはなかなか楽しめる。
直線的な下りなので、見通しもよく豪快に下っていける。

●Youtube 動画 桃川峠のダウンヒル
https://youtu.be/I6CAIqRxlmw


今回のツーリングの最後は、村上の観光と食事だ。まずは「イヨボヤ会館」へ向かう。


イヨボヤ会館

イヨボヤ会館は、三面川(みおもてがわ)の畔にある「鮭公園(サーモンパーク)」の中心施設です。
サケとの関わりが深い村上市。「イヨボヤ」とは、村上の方言でサケのことです。
村上市を流れる三面川のサケに関する歴史や文化などを知ることができます。 
また、季節によりサケの産卵やふ化するまでの様子を観察できます。
https://www.iyoboya.jp/about/


昭和62年4月にオープンしたこの施設、日本最初の鮭の博物館だそうだ。
こんな施設があることも、鮭だけの博物館があることも知らなかった。
ちょうど台数分の自転車ラックがあって驚いた。並べて置くと壮観な眺めだ。


博物館の中は、ありとあらゆる鮭の情報と展示で一杯だ。とにかくすごい!
広い博物館の中を見て歩くだけでかなり時間がかかる。

しかし、こうして鮭に関して学ぶと、鮭の魅力、ありがたさ、大切さが身に染みる。
素晴らしい博物館だ。本当に勉強になる。


そして昼食はここへ。


「千年鮭きっかわ 井筒屋」故郷のいのちを伝える鮭料理

古今東西、鮭は広く食されているが、ここ村上の鮭料理には昔から他にはない味わいと料理法があります。
千年の歴史を今に伝える村上の鮭料理。
日本海を有し、四季の移ろいが豊かではっきりとした新潟県最北の地、村上市。
城下町として栄えた歴史は、村上人気質とも言える温故知新の精神を育みました。
そんな村上の人々にとって特別な存在だったのが「鮭」です。
土地に流れる三面川には古(いにしえ)から鮭が遡上し、米が不作の年ほど鮭が豊漁となり人々を救い、
千年もの昔から京の都に租税として納められてきました。
天の恵みのこの魚に感謝を込めて、頭の先から尾まで余すことなく、料理する。
故郷のいのちを繋ぐ鮭料理。
これからも、その先もずっと、伝えていきたい美味しさです。
https://www.murakamisake.com/idutsuya/


鮭のまち、新潟県村上市初の鮭料理専門店だ。
かつて旅籠であった建物は、江戸時代中期の俳人・松尾芭蕉とその弟子の曾良が
「おくのほそ道」の道中で二泊した宿としても知られ、国の有形文化財にも指定されている。


残念ながら、車を回収しに行ったY氏は予約時間に間に合わない。しかたなく8名で食事することに。
案内された部屋は、ちょうど8名でぴったり。ここから「鮭料理」のフルコースが始まる。


注文したのは「鮭料理 八品」(税込み 3025円)
こんな食事は初めてなので、いったい何がどうなってどうなるのかさっぱりわからない。
担当の方が一人ついてくれて、一品ずつ詳しい解説をしてくれる。

そして食べ方、焼き方などを詳しく説明してくれる。それを聞いているだけで「ほう〜、へぇ〜」の連発だ。
いつも食べている鮭とは全くの別物と言っていいほど、鮭の美味しさが際立つ。
こんな食べ方があるのか! と驚くばかりだ。


最後は贅沢な鮭茶漬けだ。もう、写真を見てるだけで美味しそうな出来上がり!
もちろんお味も最高〜。なんて鮭って美味しいんだ、とあらためて感じた。


食事に間に合わなかったY氏が合流して、全員で最後の村上の観光となった。
食事後はすぐ隣の「千年鮭 きっかわ」でお買い物だ。


千年鮭とは

平安時代、京の都に鮭を献上していたという記録がのこる、新潟県 村上。
村上の人びとにとって鮭は千年の昔から特別な魚でした。
鮭を慈しみ、鮭と共に生き、鮭を頂く。
その想いから、風土を生かした特別な製法と100種以上の料理法が、今に伝えられてきました。
風に晒し、醸すのを待ち、一尾を活かしきる。
私たちは、先人から継いだ知恵と、新しい工夫で鮭を磨き、他にはない至高の味わいを追求し続けてきました。
すべて、手作り。すべて、無添加。千年かけて醸した至高の鮭の味わいをお楽しみ下さい。
https://www.murakamisake.com/sennenzake/


塩引き鮭とは

「塩を引く=塩をすり込む」のは貴重品だった塩を無駄なく使うためで、この作業が名の由来になったと云われており、丁寧な仕込みが美味しく仕上げるためには欠かせません。
「塩引鮭(塩引き鮭)」は雄の秋鮭と塩のみを原料に保存料・添加物を一切使用せず、昔ながらの手作業で一尾ずつ仕込んでいきます。
内蔵・エラなど腐敗を招きやすい部分を取り除き、手作業で塩をすり込んで下処理を行い、塩を馴染ませます。
その後「洗い」という工程での水洗いを経て仕上げの寒風干しとなりますが、美味しく仕上げる為に最も重要な要素が当地特有の冬の季節風です。
鮭が凍結しない適度な低温と多湿な冬の季節風に晒し、ゆっくりと余分な水分を取り除きながら旨みの凝縮・熟成を促し生鮭にはない風味を生み出します。この旨みこそが塩引鮭(塩引き鮭)の最大の特長です。
また、村上の「塩引鮭(塩引き鮭)」は特徴的な形態を有しており、「腹の中程で一ヶ所包丁を止めて完全に開かずに繋げた裂き方」は「切腹」を連想させるものを嫌っての事とされています。
「頭を下にした吊るし方」は「首吊り」や軒先に吊るした鮭の前を歩く武家に対し「頭が高くなる事」を避ける意味があったようです。
それぞれ鮭の増殖に多大なる貢献を果たした藩士への敬意とされており、城下町村上ならではのこだわりです。
越後・村上ならではの気候風土と先人の知恵の賜物が「塩引鮭(塩引き鮭)」です。
https://www.nagatoku.jp/products/sio/


天井の梁から吊り下がっている鮭の姿に圧倒される。
お店の方が丁寧に説明してくれる。これを聞くだけでも村上の魅力、鮭のありがたさがわかる。

店内は美味しそうな鮭のお土産で一杯だ。どれもこれも買いたくなってしまう。
旅の最後にこんなに素敵なお土産に出会えて最高だ。
家に帰ってから、また思い出しながらお酒を飲めば最高に幸せだ。


本来はもう少し観光、ポタリングしたかったが、もう暑さと満足感で走る気力なし。
ガーミンの温度センサーを調べてみると、走っている間は30℃以下だが、停車しているとグングン温度が上がる。
観光している間は、停めた自転車に直射日光があたり、なんと最高温度は45℃!!


もう暑くて暑くて限界だ。ということで、少々早いけれどこのまま村上駅へ向かう。
涼しいところは駅の待合室ぐらいしかない。さっさと輪行してあとは早めに祝杯だ!


たっぷりと待合室で祝杯をあげ、さらに買い込んで乗車する。
今回のツーリングもこれで無事にフィナーレを迎えることができた。
三日間、とにかくグルメな旅だった。これほど美味しいものに満たされた三日間は初めてだった。


とにかく暑かった。そして大変な峠越えだった。しかし美味しかった。
三日間で走った結果は、●距離 135km ●獲得標高 934m という情けない結果だった。
それでも中身はその何倍も充実していた感じだ。

この時期のツーリングは、あまり無理したプランでは危険だろう。
今回はこれで正解だったと感じた。皆さん、本当にお疲れさまでした〜!

そして素晴らしいプランニング、本当にありがとうございました!



 
距離: 29.4 km
所要時間: 5 時間 08 分 41 秒
平均速度: 毎時 5.7 km
最小標高: 13 m
最大標高: 108 m
累積標高(登り): 174 m
累積標高(下り): 191 m

(2025/7/5 走行)


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