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2025年10月6日 (月)


三日目。今日も天気はまずまず。そして10月とは思えぬ暑さが続く。
昨日コンビニで日焼け止めを買った。まさかもうこの季節ならいらないだろうと思って持ってこなかった。

今日も日焼け止めが必須の一日になりそうだ。
朝食を済ませ、ホテル前でタクシーを待つ。すぐに時間通りに来てくれて、宮崎駅へ向かう。

平日の朝なので駅は賑わっているが、8:51発の日豊本線はガラガラだった。 


9:57 都城駅到着。さあ今日も新たなコースが待っている。

今日のコースは、旧国鉄廃線跡「志布志線ウエルネスロード」だ。
以下のサイトを参考にさせてもらった。

https://kagoshimabengoshi.hatenablog.com/entry/2019/04/13/144459
https://ic-yas.hatenablog.com/entry/2023/10/10/195610
https://ic-yas.hatenablog.com/entry/2023/10/13/215841


実はこの旧志布志線は、1975年8月15日に志布志→都城→小林 まで輪行している。

1ケ月に渡る九州・沖縄キャンピングの中で、移動のためにこの路線を利用した。
当時の記憶はほとんど残っていないが、写真を探したら貴重な一枚が撮影されていた。

この写真は早朝の車内の様子で、眠くてシートに横になっている姿だ。
この日は長距離の移動だったので、出発は11時になってしまったと日記に書かれている。


ちょうど半世紀前に乗った志布志線。こうして再び訪れることができるとは思ってもいなかった。
なにもかもすっかり変わり、まったく記憶が残っていない。

ほんのわずかでも何か思い出に出会えるだろうかと期待しながら、都城駅から走りだす。
10月だというのに真夏の陽気だ。いったいいつになったら涼しくなるのだろう。

今日も日焼け止めをしっかり塗ってスタートだ。
すぐに大淀川に出る。誰もいない、広々とした河川敷をのんびりと行く。


暑い・・・今日もかなり暑さにやられそうだ。まだまだ熱中症の注意が必要だ。

川沿いにずっと行けるかと走っていたら、突然舗装が途切れ、藪漕ぎに・・・無理して突破する。
さらに暑い・・・! もう、スタートからついてない。この先大丈夫か? と心配になる。


5kmほど走ると、「鉄道記念公園」の案内が現れた。
さあここからは「志布志線ウエルネスロード」の始まりだ。


鉄道記念公園

ここは昔、 志布志線と呼ばれる鉄道が通っていました。 大正14年12月30日には西都城・志布志間の延長38.6Km が全線開通し生活、物資輸送の中心交通として重要な役割を果たしてきました。 しかし、高度成長期を境に道路網の発達や自家用車が普及したことにより経営困難となり、昭和62年3月27日、 その長い歴史に幕を降ろしました。 そして、 平成2年度から跡地整備を開始し、この「志布志線ウエルネスロード」 (自転車 歩行者専用道路) や 「鉄道記念公園」 として生まれ変わりました。 かつて志布志線がそうであったように、この公園が市民の方々にいつまでも愛され親しまれることを切に願い、 ここに、 記念案内板を設置するものです。(写真の解説より)


全国の廃線跡がこうして自転車道やウォーキングコースに整備されるケースが多くなっている。
我々サイクリストにとっては実にありがたいことだ。

思い出を辿ることもできるし、安全で快適なサイクリングを楽しむことができる。


スタート地点はいきなり「汽笛橋」だ。なんと素敵なネーミングを付けたものだ ろう。
橋の欄干には、SLの模様が装飾されている。素晴らしい演出だ。


この道は、大好きな岡山の「片鉄ロマン街道」に似ているな、と直感した。
道幅も周囲の景観もよく似ている。

そしてここもゴミ一つなく、実にきれいに管理されている。
これは相当期待できそうな自転車道だとワクワクしてきた。


気分上々、そして未知のコースを走る喜び・・・その直後、なんと衝撃の出会いが待っていた。
道路を渡ったその先に、小さな休憩所があった。その横を通り過ぎた時・・・

「わぁ! なんだ? 猫ちゃん! 伸びてる!!」

大きなテーブルを独り占めにして寝ているじゃありませんか! なんだ、この無警戒なポーズは!
すぐに近寄ってご挨拶。そして写真を撮ろうが、触ろうが、まったく警戒心ゼロ。

何をされようとまったくへっちゃらだ。すごい、驚いた。この子大物だ!
あまりに暑くて、この日陰で休んでいる様子だ。健康そうな様子で、きっと近所で飼われているのだろうな。

持っていたお菓子をあげたら、一口食べてくれたけど、どうやら空腹ではなさそうだ。
なかなか立ち去るのが惜しくて、なんと40分も一緒に休憩してしまった。もう、今日は大満足だ。


猫ちゃんと遊んでいて、すっかり予定が遅くなってしまった。

その先もまっすぐな廃線跡が続く。とにかく気持ちがいい道だ。


たまに地元の人が通り過ぎるが、それ以外はまったく誰も通らない。
もう少し秋の気配を感じられるかと思っていたのだが、まだまだここは夏の名残がたっぷり残っている。


眩しい光が木立の中に注ぎ込む。

一本の木に自転車を停めて写真を撮っていたら、セミの抜け殻に気が付いた。
これはいつ羽化したものだろう? セミの鳴き声が聞こえるということは、まさか最近の物なのか?

きれいな状態で残っていることから、ここは風雨にさらされない場所だと思われる。
しかし、10月だというのにセミの抜け殻に出会えるなんて、ちょっと驚いた。


途中のコンビニで食料を手に入れ、再度廃線跡に戻る。
民家のすぐ裏手を行く。深い竹林のおかげで、涼しい日陰を走ることができる。

その先に「今町駅」のホーム跡が見えてきた。
いきなり大きなSLが現れたのでビックリ。まさか展示車両があるとは知らなかった。

ただこのSLがここを走っていたわけではない。
鉄道公園の整備の一環として、シンボルとして都城総合運動公園より移設されたものだそうだ。


今町駅跡

宮崎県都城市の南端部近くに、旧国鉄志布志線今町駅の跡が残されている。
駅跡には線路やホーム、信号機などが残され、往時の風景を偲ばせる。
線路上にはC1264号機関車も保存展示されており、鉄道ファンには嬉しいものだろう。
駅跡周辺の一帯は「今町鉄道記念公園」として整備され、遊具を設けた広場なども併設されている。
また志布志線の線路跡は自転車歩行者専用道路として整備されており、鉄道ファン、特に旧国鉄のファンならぜひ訪ねておきたいところだ。

https://www.natsuzora.com/dew/miyazaki/jnrshibushi-imamachieki.html


当時の時刻表が展示されていた。それを見て、もしかしたら・・・
50年前のあの日、 「422D 8:28 都城行き」に乗車していたのかもしれない、と想像を巡らす。


自転車道はまだまだ続く。
今町駅の先には牛舎が現れ、走りながら牛とご対面だ。


まあ、次から次へと変化のある自転車道だ。
数多くの自転車道を走ってきたが、ここはなかなか完成度が高い。


最高の「志布志線ウエルネスロード」を満喫して、一旦自転車道は終点を迎える。
そして車道と合流して、いよいよ鹿児島県に入る。ずいぶんと南国まで来たものだ、と実感する。


末吉町を抜けて20分ほど走ると、再び自転車道が現れる。
「マインドロード末吉」と大きく書かれた入口が迎えてくれた。


いきなり贅沢な道が現れた。下り勾配2%の標識が設置されている。

まっすぐな下り道、十分な道幅、奇麗な舗装、そして快適な木立に包まれた極上の自転車道だ。
路面には落葉が溜まっているが、走行に影響が出るほどではない。


自転車道としては申し分ない出来だ。
安全面にも十分考慮されていて、子供でも女性でも、家族そろって楽しめる自転車専用道だ。

気温は、セミがうるさく鳴くほど真夏のような暑さだ。
しかし、この木立の中を走り抜けると、実に気持ちのいい風を浴びながら走ることができる。


車道を横切る場所もあるが、ここだけは十分左右に注意して渡る。
と言っても、まず車と出会うこともないような長閑な所だ。

再び長い駅のプラットフォームが見えてきた。さてここは何という駅なのかな?


岩北駅跡

鹿児島県曽於市の中心市街から国道269号を6kmほど南下した田園地帯の中に、旧国鉄志布志線岩北駅の跡がひっそりと残っている。
跡地には岩北駅跡であることを示すモニュメントが設置され、ホーム跡が残されている。
線路は撤去されており、遊歩道として整備されている。
遊歩道を辿れば美しい田園地帯の中の散策を楽しむことができる。
駅跡から田園地帯へと散策を楽しむのがお勧めだ。
https://www.natsuzora.com/dew/kagoshima/jnrshibushi-iwakitaeki.html


大きな石に刻まれた「国鉄志布志線 岩北駅跡地」の文字が印象的だ。
よく見なければここが駅だったとは気づかないような静けさだ。

50年前、自分もこの駅を通過したはずだ。
当時はどんな様子の駅だったのだろうかと想像をふくらます。


ここまでの自転車道の様子を、動画で簡単に紹介しておこう。
●Youtube 動画 志布志線廃線跡を行く https://youtu.be/kT-IrduWLAQ

自転車専用道も終わり車道に合流する。交通量が多い中、60m程登らされる。
志布志のゴールまでは、まだまだ30km近く距離が残っている。

14時を過ぎるとますます暑くなってくる。やはり日陰のない車道はかなり厳しい気温だ。
標高は200m近くある。ということは海まで200mも下ることができるということだ。

14:17 大隅松山駅跡に到着。


大隅松山駅跡

鹿児島県志布志市の北部、松山町新橋地区に、かつての国鉄志布志線大隅松山駅跡が残されている。
駅跡はきれいに整備され、一角には記念碑が建てられている。
ホーム跡や線路跡なども残され、往時の面影を今に伝えている。
鉄道ファン、廃線マニアならぜひとも訪ねておきたいところだろう。

https://www.natsuzora.com/dew/kagoshima/jnrshibushi-osumimatsuyamaeki.html


住宅地の中に残された大隅松山駅跡。駅名表示がきれいに残されている。
記念碑や車輪のオブジェとともに、レールも残されている。


記念碑には志布志線の歴史が詳しく書かれている。
消えるばかりの鉄道路線。50年前、この地を訪れた時は鉄道網が張り巡らされていた。

広い九州も、鉄道をつないでいけばどうにでも移動できた。
だがしかし、もはや鉄道で簡単に移動することは困難になってしまった。


美しい「市柴橋」を眺めて一息つき、アップダウンを繰り返して志布志へ向かう。
本日後半は、なかなか楽をさせてもらえなくて苦労する。


14:49 「有明町鉄道記念公園」に到着。
「旧国鉄伊崎田駅」の立派な駅舎が残されている。


駅舎内には数多くの写真が飾られ、当時の備品が保存されている。
駅舎の中を覗くと制服を着たマネキンがいて、ちょっとドキッとさせられる。

静まり返った無人駅は、まるで時が止まってしまったようだ。


「さようなら志布志線」 
多くの写真にお別れの様子が写し出されていた。
鉄道がなくなるということの衝撃はどれほどの事だろう?

都会に住んでいる者にとっては想像できないぐらいの驚きだろう。
廃線後は、何もかも衰退する。町も、人も、産業も経済も・・・そして過疎化していく。

こうした状況を数々見てきた。うまいこと観光化できればいいが、そう簡単にいかない。
この先どうなっていくのだろうと、一日廃線跡を走ってきて感じるばかりだった。


志布志までやってきた。志布志の観光名所と言えばここ。
せっかくなので、ちょっと遠回りして写真を撮ってきた。きっとマニアの間では有名な所でしょう。


最後はJR志布志駅に立ち寄って、志布志鉄道記念公園を見学する。
今日一日、都城駅から志布志駅まで廃線跡を辿ってきた。

自転車で走ってみると、やはりかなりの距離がある。鉄道でなければ移動することも大変だ。
車社会の発達、鉄道社会の衰退をこの目で本当に実感した一日だった。


16:30 まだ明るい志布志港にゴール。

今日も実に充実した一日だった。
さんふらわあの船体を見るとほっとする。まるで我が家に帰ってきたかのような安心感だ。


志布志港(17:55発)→大阪港(07:40着)「さんふらわあ きりしま」に乗船する。

バイクが20台ほど、自転車は自分一人だ。
「さんふらわあ きりしま」の自転車の扱いは、”寝かせる”方式だ。この方が簡単で傷もつかなくていい。


荷物を片付けたら、まずは出港のドラマを見に行く。

他の乗り物と違って、船が港を離れるまでは結構時間がかかる。
何でもデジタル化、機械化されていくこの時代に、船はまだまだ手作業が多い。そこが人間らしくていい。

出港すると、いい色に空が染まってきた。やっぱり船上からの夕日は格別だ。
ちょっと雲が多くて感動も薄かったけれど、この儀式がやっぱり船旅の魅力だ。


今宵の夕食は、乗船ポイントが溜まったので無料だ。これだけでもかなりお得だ。
出港時間が早いので、今夜はかなりのんびりと過ごすことができる。

空いた時間に風呂に入って、空いた時間に夕食バイキングに出かける。
かわいかった今日の猫ちゃんに癒されながら、一日を振り返る。

連日の大移動で忙しいツーリングだが、今日も無事に予定通り走ることができた。
明日はいよいよ最終日だ。このままトラブルがないことを祈りながら美味しいビールを味わった。


時刻/距離/温度 グラフ(ガーミン  EDGE1030より)


最後に参考資料として一日の気温のグラフを残しておこう。
これはガーミンの内部気温センサーのデータで、直射日光のもとでずっと停車していると異常値になる。

猫と遊んでいた40分間、ずっと太陽に照らされていたので、気温は異常値になっている。
走行中はほぼ正確な気温になっていて、これを見ると日中は30℃〜35℃の間を記録している。

やはり10月としては、記録的な暑さだということがよくわかる。
今後のツーリングの参考になる貴重なデータだ。


 

 
距離: 52.5 km
所要時間: 5 時間 56 分 58 秒
平均速度: 毎時 8.8 km
最小標高: 24 m
最大標高: 205 m
累積標高(登り): 369 m
累積標高(下り): 492 m

(2025/10/6 走行)


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