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コンパクトベッド



車中泊の魅力は、時間・場所の制約から解放され、どこでも気に入った所から旅を始められるところにある。もちろん、場所探しが最大のポイントではあるが、さて寝る段になっての悩みは、いかに快眠を得るかであろう。

狭い車内で上手に寝るには、とにかく平らな場所を作ることに限る。これなくしては車内で熟睡はできない。背中に違和感があったり、足を折り曲げたりしなければならないのでは、快眠も疲労回復も不可能だ。

わが愛車、ワゴンR内に完璧にフラットな空間を作りたく、これまでずいぶん色々と苦労してきた。ランドナーとMTB、2台の自転車とキャンプ道具をすべて車内に収納し、さらにフラットな空間を確保したかった。


最近のワゴンRは、助手席から後ろの座席までフラットになるようになっているが、我車は旧型のため助手席は後ろに倒れるのみだ。この段差が最大の障害だ。ここをフラットにすれば、体を伸ばしても余るほどの空間を確保できる。

段差を埋めるべく、色々なものを試してきた。クッション、毛布、枕、エアーマット・・・
頑張れば頑張っただけフラットにはなるのだが、その分準備する手間も、片付ける手間も増えていく。さらに、それほど頑張ってもやはり一晩過ごすとどうしても体に違和感が残る。なかなか、家の布団で寝るようにはいかない。

この車では無理かな、かなりあきらめながら数年ツーリングを重ねてきた。ところがある日、LOGOSのコンパクトベッドを見つけた。これはテント内で快適に寝るためのものらしい。ひょっとして、これが車の中に入らないかな? とひらめいた。


サイズを調べると横幅ぎりぎり。なんとかなるだろうと早速購入し、押し込んでみたらなんとぴったりではないか。さらに4本の脚の位置が見事に床面、シート面に一致し、安定感も抜群。思わず歓声をあげてしまったほどだ。

早速寝てみる。ベッドの上に乗り込むには少々厄介だが、横になってしまえばもう天国だ。ベッド生地の沈み込みが体をやさしく包んでくれて、この上ない気持ちよさ。車内で、こんなにまっすぐ体を伸ばせるのは初めてだ。

体のどこにも異物が当たることがないというのは、これほど快適なのかと改めて感じるほどだ。

購入して以来、車中泊のほとんどをこのベッドで過ごしてきたが、寝心地に関しては文句はまったくない。寒さに応じて寝袋を使い分け、耳栓、アイマスクまで揃えれば、まず雪の季節以外であれば快適に朝を向かえることができる。


ただし問題点が一つある。このベッド、組み立てるにはまず両サイドの3本のフレームをつなぎ合わせ、そのフレームの穴に4本の脚を差し込むのであるが、これがとにかく面倒くさいし、時間と力が必要だ。

ベッド生地脇につないだフレームを収納するのに大変な力が必要なのと、3本のフレーム穴の位置が、つなぎ合わせのためクルクルと回転しまうためにイライラしてくる。

そこで自分は、保管時はこのベッドの脚だけをはずし、くるくると長い棒状に巻いた状態にしている。フレーム穴が回転しないようにテープで固定し、いつでも脚だけ差し込めば使えるようにしている。保管には少々邪魔だが、この方が寝たいときにすぐに使えて便利だ。

どうでしょう、御自分の車のサイズを測って、皆さんも一度お試しあれ。

(購入2005年11月)


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