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2006年9月5日(火)


ツーリング4日目のコース案内はこれにお願いした。
この周辺は来るだけでも大変なところ。全く未知のエリアだ。

このガイドがなければまず来ることもなかっただろう。
どんな峠なのか、どんな眺めなのか、峠を越えるのが待ち遠しい。


昨夜は越前海岸沿いのパーキングで車中泊した。
駐車スペースもあり、トイレも完備していて申し分ない。夜は波の音しか聞こえなかった。

早朝早くから動き出す。車内を片付け、ランドナーを準備する。
一夜過ごすと車内は散らかり放題だ。やることはたくさんあって毎朝片付けに忙しい。
そうこうしているうちに、なんと急に雨が降り始めた。それも結構激しく降ってきた。


せっかく組み立てたのに車内にしまうわけにいかず、サドルにシートをかけて車内で様子を伺う。
風でシートも吹き飛ばされそうだ。うわぁ、参ったなぁ。どうしよう・・・
そんな時にはとりあえず落ち着いて待つしかない。携帯の充電をしたり、レポートを再度読んだりして過ごす。


しばらくして小降りになったのを見計らって走りだす。
走りだしてしまえば、あとはなんとかするしかない。走りだすとすぐに古そうなトンネルが現れた。


ちょっと怖い雰囲気のトンネルを抜ける。
通り抜けると「呼鳥門(こちょうもん)」という観光名所が目の前に見えてきた。


大きな岩が門のようになっている。風と波の侵食作用によって出来た天然のトンネルだそうだ。
さすがに真下にいると恐ろしいので、素早く写真を撮ってその場を離れることにした。

「越前加賀海岸国定公園」の石碑。そうか、ここは国定公園なのか、と気が付く。
切手を趣味で集めていた頃、国定公園シリーズを集めていた。
確かここの切手も持っていたなぁ、と調べてみた。すると、まさしくこの場所が切手のデザインになっていた。


なんとか雨はあがっているが、空模様は安心できない。いつまた降りだすか心配だ。
せっかくの国定公園なのに、こんな天気では海の色も冴えない。


道路脇には「漁火街道」と表示されている。なんともまあ素敵なネーミングだ。
しばらく海岸線に沿って北上する。曇っているおかげで、今日は涼しくていい。
調子に乗って海岸線を走っていたら、分岐地点を通り過ぎてしまった。1kmほど行きすぎて気が付く。


大味町から海岸線を離れ、大味川に沿って山側へ向かう。道はさびれた田舎道を緩く登っていく。
時刻は10:30 まともに朝食を食べていなかったので、すでに空腹状態だ。
どこかで名物越前そばでもいただきたいな、と思っていた。

郵便局がある小さな村にさしかかった。この辺りなら何かお店があるかな? と探すとありました。
暖簾のかかった小さなお蕎麦屋さんが営業中だ。11時からと書いてあるが、すでに営業しているようだ。
さっそく入ってみる。


「越知のそば」という店名で、民家のような店構えだ。
この先の越知山(おちさん)にちなんでの店名であろう。

越前おろし蕎麦

「越前おろし蕎麦」は、黒っぽくてやや太めの田舎そばに、薬味の大根おろし、ネギ、かつお節をのせ、ダシをぶっかけて食べる、福井県のソウルフードです。さっぱりとした味わいで、大根おろしやダシ、具などにも様々なバリエーションがあるのも特徴です。


メニューは、
・おろしそば(\500)・大盛おろしそば(¥700)・とろろそば(¥700)・ざるそば(¥700)・かけそば(¥500)など


一緒に漬物を頼んだら、お皿一杯に山盛りの漬物が出てきた。そして「うまい!」
壁には認定証が飾られていた。「あなたをそば匠に認定します 福井県知事」と書いてある。
ひょとしたら、ここはなかなかの名店? なのかもしれない。

出てきたとろろそばは、ちょっと見たこともないそばだった。
大きな器に冷たい太めのそば。とろろ、削り節、刻みネギが盛り付けられている。
見た目も豪快で、冷たいダシとのハーモニーが最高だ。いやぁ〜美味しかったです。
(現在この場所は。「かじかの里山殿下」という農家レストランになっています)


お腹いっぱいになって、いよいよ越知山(おちさん)を目指して山道に入っていく。いきなり凄い登りだ。
今日はここから約500m程登らなければならない。

これから山に入るのに、天気も冴えず、またパラパラと降り始めた・・・
ひっそりとした尼ケ谷の集落が現れる。越知山に至る最後の集落だ。


かなりきつい登りが始まった。
体感では12〜13%ぐらいはありそうだ。さすがに押し始める。

細かい霧雨から小粒の雨に変わり、視界も白く遮られる。
標高350m付近からダートに変わってしまった。大きな木の下で少々雨宿りだ。


振り向いて上空を見上げれば真っ白な空だ。厚い雨雲に覆われて、小雨が降り続く。
すでに雨で濡れ、汗で蒸した体は不快な状況が続く。そしてこの先の道に不安がよぎる。


道は再び舗装に変わったが、越知山直前も一段と勾配がきつくなる。そして相変わらず雨も降り続く。
全くの無人地帯、そして薄暗い山中とこの天気だ。緊張感と不安と恐怖心が高まってくる。


12:48 越知神社、殿池に到着。車が2台停まっていてなぜかほっとする。
晴れていれば自然豊かなハイキングコースなのであろうが、この天気だと別世界だ。
神社の鳥居も雨に濡れ、その先は白い霧の中に消えていく。こんな雰囲気を味わうのも初めてかもしれない。


周辺の詳しい地図があったので写真に収める。
この先まだまだ山道が続くので、この地図があとで役に立つかもしれない。


殿池の先を行くと、最初の分岐「別山」の案内がある。
こっちかと思って行ってみると、電波塔があるだけで行き止まりだ。戻って直進する。
その先に「越知山展望台」の案内がでて一安心だ。まったく見通しの効かない所では、唯一の道案内だ。


ここまでくればだいぶ余裕が出てくる。ピーク付近はフラットな勾配になって乗車も可能だ。
そこで、せっかくの「最悪コンディション」の様子を動画で撮影しようと、カメラを枝木にセットする。
独り芝居を演じて、山道を走り抜ける後姿を撮影する。撮影したら、歩いて回収だ。そんなことやってます。


13:15 ついに展望台に到着。これでもう登らなくていい。安心した。ほっとした。気が抜けた。
何もかも雨に濡れて、ベンチもテーブルも足元も水浸しだ。
ここの展望台からの眺めは、360度の大パノラマとニューサイにも書いてあったのだが、本当に残念だ。

周囲はご覧の通り真っ白な世界。
そんな中でのんびりとランチタイムを楽しむ。
これで今日は楽勝だと思っていたら大きな間違いだった。このあと最大の難所が現れた!


下り始めてすぐに、道は熊笹に埋め尽くされてしまった。道筋も全く見えない。
まあ、こんなことは何度か経験しているが、今日はこの天気なので全身がびしょびしょに濡れる。

足元を確認することもできず、慎重に一歩一歩進んでいく。
なかなか許してくれないなぁ、と嘆いていたら、最後にこんな倒木に道を阻まれた。

おいおい、どこまで試練を与えてくれるんだ・・・と、もうやけくそ状態だ。
おまけに蜘蛛の巣だらけで、もう最悪状態だ。靴はもうとんでもないことになっている・・・


多くの試練に耐え、そして頑張ってやっとまともな道に出てきた。
そこが「花立峠」だ。立派な峠の標と案内図が設置されている。
ジャングルの中から、人間界に飛び出てきたような感覚だ。

晴れていればきっと絶景に違いない。雨はやっとあがったが、残念ながら視界はほとんどない。
靴は水浸し、靴下も絞れるほど水を含んでいる。もう気持ち悪さはMAX!


花立峠から下るとすぐに海山峠に出る。大きな木の幹に「海山峠」と書かれている。
読んで字のごとく、海と山に挟まれた峠だ。
空が明るくなってきて、南側の展望が開けて海が見えてきた。なかなか素晴らしいロケーションだ。


展望はいいけれど、足元の気持ち悪さはもう耐えられない・・・
さすがに耐えきれずに脱ぎ捨てて乾かすが、効果なし。逆にまた履くときの気持ち悪さが倍増!


標高400m付近まで下ってくると、ようやくまともな景色に変わってきた。
あとは早く車に戻って、何もかも脱ぎ捨てたい。


国道の山中トンネルまで降りてくれば、今日のコースもフィナーレに近づく。
濡れた足も次第に乾いてきて、いくらかご機嫌もよくなってきた。

海岸線に出れば、あとは車のデポ地までゆっくりとシーサイドコースのポタリングだ。
16:00 無事にデポ地に戻ってきた。
皮肉なことに、ゴールすると天気も回復してきた。

大変な一日だった。しかし、内容の充実したいいコースだ。
ここは快晴の時にもう一度走ってみたいと思った。またいつか来よう。
さあ、温泉に入ってさっぱりしましょう!


 

距離: 42.3 km 
所要時間: 7 時間 15 分 00 秒
平均速度: 毎時 5.8 km
最小標高: 1 m
最大標高: 636 m
累積標高(登り): 760 m
累積標高(下り): 760 m

2006/9/5 走行


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