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2006年9月7日(木)


昨夜は旅館に泊まったおかげでゆっくりできた。
しかしツーリングも6日目になって、疲労は相当たまっている。
そして今日もまた雨模様の天気。何もかも条件が悪い。

こんな時は車を最大限利用して、木ノ芽峠をショートコースで往復することにした。
標高320m付近に車をデポする。しかしここで、また不運に見舞われた・・・

準備中、車内で運転席から無理な姿勢で荷物を取ろうとした際、脇腹を痛めてしまった。
座席シートの堅い部分に自分の全体重がかかってしまって、”グリッ”と圧迫されてしまった。
強烈な打撲のような痛みを感じ、体をねじると痛い。もう、なにもかもついていない・・・


走りだすとすぐにこんな路肩の崩壊が現れた。一瞬、通過するのをためらってしまうような崩れ方だ。
重量のある車だと、恐ろしくて通行できないだろう。
ちょっと山の中に入ると、こんな状況が多い。地盤が相当雨で弱くなっている。


「首切り谷」と書かれた標柱が道路わきに建っている。見ただけでも恐ろしい名称だ。
調べてみるとその由来がわかるが、その名の通り、この谷で首切りが行われたそうだ・・・あぁこわ。

そんな背筋が寒くなるようなところで、またまた雨がサーっと降ってきた。
こんな場所で何かいやな気配を感じる・・・もう、緊張感が高まるばかりだ。


木ノ芽峠登り口(徒歩四十分)の標識。自転車だともう少し早く行けそうだ。
全くの無人地帯。こんな天気でより一層寂しくなってくる。


中部北陸自然歩道の大きな地図に、木ノ芽峠までの道のりが詳しく解説されている。


スキー場に出てきた。スキーのリフトがすぐ横にあり、空に向かって延びている。
ゲレンデを一本の道が登っていく。これを行くということらしい。


ゲレンデの勾配というのは、見た目以上に辛い。
緩やかに登っているように見えるが、実際はとんでもない勾配だ。

押し始めてすぐに視界は真っ白になってしまった。10m先がよく見えないほどだ。
いったいどこへ向かっているのかと不安になるほどの状況だ。


木ノ芽峠の登り口に「笠取峠」の案内があった。
写真の左に木ノ芽峠への案内が見える。山道へと変わるが、いよいよ峠も近づいてきた。


笠取峠から石畳を登って行くと階段があり、再びゲレンデに出る。
ご覧の通りの視界だが、もうここまでくれば何も考えず峠を目指すしかない。


その先に「言うな地蔵」という、茅葺屋根のとても大きな地蔵堂が現れた。


真っ白な霧に包まれた「言うな地蔵」は、実に幻想的な雰囲気が漂う。

「地蔵言わぬが己言うな」言奈地蔵
https://tsuruga-kanko.jp/spot/history_culture/kinome-touge/

その昔、大金を持った旅人を乗せて木ノ芽峠を越えた馬子がありました。馬子がこの峠で旅人を殺して金を奪ったところ、地蔵の前であったことに気付き「地蔵言うな」と独り言を言いました。すると地蔵から「地蔵言わぬが己言うな」と言い返されました。その後、年を経て再びこの峠を越す時、馬子は歳若い旅人と道連れとなり四方山話をしながら歩いていると、あの地蔵の前にやって来ました。馬子はこの地蔵が霊験あらたかな地蔵であることを告げると、旅人はその云われを問いました。馬子は先年の悪事を語り、ありし次第を告げたそうです。しかし、実はこの旅人こそが先年殺された旅人の息子で、親の仇を訪ね歩いていた者だったのです。息子は天にも昇る心地をこらえ、山中で仇を討つよりはと、共に敦賀まで出てから名乗りをあげてこれを討ちとったとのことです。



最後の石畳を登っていくと、その先に「木ノ芽峠」の石碑と、霧に埋もれた民家の屋根が見えてきた。
ここが有名な木ノ芽峠である。


出迎えてくれたのは二匹の犬だった。
お客さんが来て喜んでいるのか、大きな鳴き声で出迎えてくれた。


峠にはなんと軽トラが停まっているではないか!
こんな険しい山道を登ってきた自分にとっては驚きだったが、ちゃんと車道がある。

ここに住む「前川家」。生活感溢れる様子だが、誰の様子も伺えない。
どこか作業にでも行っているのだろうか?


「木ノ芽峠 茶屋番所の前川家」
https://wagayanojikan.blog.fc2.com/blog-entry-557.html


ちょっと家の中を覗いてみたけれど、人の気配はない。
しかし「木目峠」「笠取峠」と書かれた古い笠が飾られてあった。「峠」の文字が独特だ。

ちょっとお話を聞きたかったが残念だ。
本当は峠を越えて、栃ノ木峠経由で周回できればよかったが、仕方なく車のデポ地まで戻るしかない。


2匹の犬は全然警戒することなく、静かに自分を見送ってくれた。
そして再び真っ白な世界へ下っていく。

ゲレンデの下りは強烈で、乗車できる所は思いっきりブレーキングしながら下る。
しかし、ブレーキシューもリムもドロドロで、ほとんど効かない。


そんなダウンヒルの最中、突然「シューー!」という音がして、後輪のエアーが抜けてしまった・・・
またまたトラブルの発生だ。こんなとこでパンク? もう、いったい何なの?
幸い、車まであと少しだったので、そのまま歩いて車に戻った。

さらに悪夢は続く。ディレイラーをよく見たら、あれ?曲がってない? 
あぁ〜どこかで木の枝を巻き込んだ時に曲げしまったのかもしれない。全然気が付かなかった。
もう、やる気喪失。今日は何もせず宿へ向かうことに。


今日の宿は、岐阜県に移動して、樽見駅そばの「淡墨(うすずみ)の宿 根尾 住吉屋」だ。
作家「宇野千代」先生が定宿として小説「薄墨の桜」を執筆した宿だ。


自分は全く「宇野千代」のことを知らず、「薄墨の桜」の小説も読んだことがない。
色々な展示物が飾られていて、ファンにとってはたまらない宿だろう。
帰宅したら一度読んでみるしかないな、と1点1点眺めていた。


美味しい食事をいただきながら、とても気になったのがこの「マタタビ ペイルラガー」。
どんなものかと試しに飲んでみたが、うーんなんだかよくわからないシロモノだった。


今日も無事に終わったが、朝から不運に見舞われた一日だった。
痛めた脇腹は、その後時間がたつにつれて痛みが増してきた。ひょっとして骨にヒビ?

そしてこの天気にさんざん悩まされ、最後はパンクときたもんだ。こんな最悪な日もなかなかない。
もう雨は勘弁してくれ。明日はなんとかお日様にお目にかかりたいものだ。

距離: 6.7 km
所要時間: 2 時間 8 分 6 秒
平均速度: 毎時 3.1 km
最小標高: 328 m
最大標高: 629 m
累積標高(登り): 301 m
累積標高(下り): 275 m

2006/9/7 走行


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