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2024年10月14日(月)


ついに五島列島が近づいてきた。
とうとう、こんなところまでツーリングに来ることができた。もう、それだけで感動だ。

太古フェリーは、博多港を出港した後、いくつかの島を経由して福江港へ向かう。
博多(23:45発)→宇久(3:55着)→小値賀(4:40着)→青方(5:40着)→奈留(7:25着)→福江(8:15着)

約1時間おきに入港する船旅は、慣れていないとその都度目覚めてしまうかもしれない。
自分はそんなこともあろうかと、しっかり耳栓をして寝たので、日の出の時間までしっかりと寝ることができた。

昨日のさんふらわあに続き、今朝も洋上からの日の出を拝ませてもらう。
もう、こんな幸せはないだろう、というぐらいの感動と喜びだ。
さすがに今朝は雲が多かったものの、それでも美しく、見事な日の出にお目にかかれた。


福江港入港の時間が近づいてくる。部屋を片付け、下船の準備に取り掛かる。
さて、五島列島とはいったいどんなところなのかと、期待で一杯の朝を迎える。


さんふらわあに比べたら、それはそれは小さなフェリーだ。
下船するのも簡単。時間もいくらもかからない。
巨大なフェリーには独特の魅力があるが、こうした小型のフェリーもまた味がある。

下船した乗客はあっという間に姿が見えなくなる。我々みたいな呑気な旅人は誰もいない。
ここまで無事に航海してくれた「太古フェリー」に感謝を込めて記念撮影だ。


朝食は福江港ターミナルで、「五島うどん」をいただく予定だった。しかし・・・
予定していた店は営業していなく、いきなり朝から朝食難民状態になった。

朝8時から営業している飲食店はなく、唯一営業している福江港のカフェでカレーをいただくことに。
空腹のおじさんたちにとっては、子供だましみたいな朝食であったが、笑顔のかわいい店員さんに満足・・・


今日の予定は、福江島の教会を巡る周回コースだ。
今回の旅を企画したU氏は、44年前に奥さんと旅をした思いでの地だそうだ。
もちろん自転車で走ったとのことで、今回はその思い出と新たなプランを織り交ぜた豪華なツーリングだ。

本日宿泊予定のホテルが福江港のすぐそばにある。
そこで、まずは不要な荷物を置いて身軽な装備で福江島を周回することにした。


五島ってこんなところ
九州最西端、五島列島の南西部に位置し、コバルトブルーの海と白い砂浜、四季を通して楽しめる釣りやマリンスポーツ、
キリシタンの歴史を物語る世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」など自然と歴史がつまった魅力あふれる島。
https://goto.nagasaki-tabinet.com/feature/hajimete


自分にとって、五島列島は全く知識がない。
これまでに一度でも行こうと思ったことはないし、そもそもあまりに東京からは遠すぎた。
まずは五島列島とはどんなところなのか、手持ちの資料の中から色々と調べてみることに。

ニューサイクリング104号、四万十・丹波(綿貫益弘)、月刊地図中心617号などが見つかった。
しかしあまりに古すぎたり、ツーリングとはあまり関係なかったりと役に立たない。


一番役に立ったのは、NHK ドキュメント72時間「長崎・五島列島 さよならフェリー」
だ。
録画してまだ見ていなかったので、事前にみておこうと思った。

福江港ターミナルでの人間模様がよく映し出されている。
予想以上に大きな島だ。そして島独特の生活、文化、歴史が刻まれている。


そして一番頭を悩ませたのが、五島列島の地理的な位置関係、地名などだ。
初めて聞く地名ばかりで、島の名前もわからないし、地名もさっぱりわからない。

そして、それぞれの島が九州の主要都市とどうつながっているのか、空路は、航路はそして時刻表は・・・
当初は空路で来る予定だったが、大幅に変わったので、航路を頭に入れておかないと身動きがとれない。


今回のツーリングの最大の目的が、五島列島の教会巡りだ。

祈りの島の教会群をめぐる

2世紀を越える長き禁教令を乗り越えた信徒の祈りの証「教会」が点在する五島。なかでも「久賀島の集落」と「奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)」は、世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産になりました。島の美しい景色と調和し厳かにたたずむ教会を訪ね、信徒たちの願いや想いを感じる時間を過ごしてみませんか?
https://goto.nagasaki-tabinet.com/feature/junrei


せっかく五島列島に行くのだから、せっかく世界文化遺産に触れ合えるのだから、少しでも勉強しておこう。
ということで、図書館で五島列島のガイドブックを借りてくる。

先月の和歌山ツーリングを終えて、すぐに頭を切り替えないとならない。
そして来月には秋のクラブランが待っている。
同時にいくつものプランを考えなければならず、頭の中は相当混乱していた。


浦頭教会〜堂崎教会〜宮原教会


9:20  いよいよ五島列島の旅がスタートする。
福江島とはいったいどんな島なのかと思っていたが、意外と島のイメージはない。
もっと離島感溢れる所かと思っていたが、まったく普通の街と変わらない。

まずはホテルから北上して浦頭教会へ向かう。
U氏のプランにはこの協会は含まれていないので、先頭はノンストップだ。
せっかくなので、自分は少々寄り道して教会の外観だけ写真に収めてきた。

 

(1)浦頭教会  ノアの方舟をモチーフにしたモダンな建造物


暑くて水分補給のため自動販売機に立ち寄って驚いた。
「高い!」 やはりここは離島だと痛感する。


交通量の少ない奇麗な舗装路が続く。そして細かなアップダウンが繰り返される。
福江港を離れると、通過する車はあるが、人の姿は全く見ることができない。

小さな入江に差し掛かると、島独特の雰囲気が漂ってくる。
それにしても海の色がきれいだ。エメラルドグリーンとはこの色のことを言うのだろう。


堂崎教会は福江島の東の岬にある。本当に静かな、そして小さな島の先端と言った雰囲気だ。
よくある離島は、どこか寂しさと厳しさと暗さを感じるが、ここ福江島はまったく逆だ。

どこか外国に来たような、日本の風景とはちょうっと違う異国感を感じる。
明るい、眩しい、そして輝いている。なぜだろう、何が違うのだろう?

(2)堂崎教会 資料館を併設した五島市の布教の重要拠点


深く、長い歴史が刻まれた堂崎教会。見事な建築にとにかく圧倒される。
美しさ、重厚感、そして歴史の重みが伝わってくる。
拝観料を払って教会の中を見学する。

初めて五島列島を訪れた者には、深すぎる歴史遺産が数多く展示されていた。
まず最初の教会見学で、いきなりノックアウトされたような重すぎる衝撃だった。


赤レンガ造りの美しい教会を背景に記念撮影。
岬の突端に佇む堂崎教会は、本当に美しい教会であった。


堂崎教会の隣には、「堂崎マドレーヌ製造直売店」が営業している。
美味しそうなマドレーヌを人数分買ってきた。あとで休憩したときにいただこう。


福江島の教会巡りがスタートしたが、それにしても道のアップダウンが激しい。
ひとつの教会を訪ねるだけで、登ったり下ったりと大変だ。
穏やかな島の海岸線というイメージからはほど遠く、伊豆の西海岸を思わせるような起伏が続く。

辛いアップダウンを癒してくれるのがこの海の色だ。ちょっと今まで見たことのない色だ。
日本にはこんなに美しい海がまだ残っているのかと驚くばかりだ。

●堂崎教会から宮原教会への道 https://youtu.be/tsmMQcv9zp8


(3)宮原教会 
民家を思わせるシンプルで素朴なたたずまい

宮原教会は本当に小さな教会だ。案内がなければまったく気が付かないかもしれない。
まるで民家のような扉をあけると、中はこじんまりとした教会になっている。
質素な造りだが、部屋の隅に置かれたオルガンが教会の雰囲気を表している。


次々に教会を訪ねていく。上り下りがあって、そして時間にも追われてなかなか大変だ。
確か、2年前に国東半島の摩崖仏巡りのツーリングもこんな感じだった。
U氏の企画はいつもこんな感じで、一日のメニューがぎゅっと詰まっている。

今回も見どころだらけのツーリングで、あまりのんびりしていられない。
平坦な道に出れば、そこは美しい島の海岸線が続く最高のポタリングコースだ。しかしそれも束の間・・・
すぐにまた恐山並みの登りが待っている。うーん、今日はなかなか辛いぞ。


アップダウンが多ければ、ダウンヒルを何度も楽しめる。
そんなダウンヒルの様子を少し紹介しておこう。

●福江島 海岸線のダウンヒル https://youtu.be/5GEIzBbwkCw

下りきると、突然周囲が大きく開けてきた。
本日の昼食は、この町にあるレストランを予約してある。


●島食Gino https://goto.nagasaki-tabinet.com/restaurant/64466


数少ない島内の飲食店。昼食場所を探すのも結構大変だ。
今回手配してもらったのは、五島の季節の食材を使った創作イタリアンのお店だ。
まさかこんな所に、こんな素敵なお店があるとは想像もつかなかった。


予約時間より少々早めに着いたので、店内は空いている。
素敵な外観、ロケーション。そして店内も日本とは思えないような雰囲気。

メニューを見れば、どれもこれも食べたくなるような本格的なイタリアン料理。
味も雰囲気も、そしておもてなしも文句なし。福江島へ行ったらぜひこちらへどうぞ。


ツーリングの昼食としては、これまでになく豪華で大満足であった。
外へ出ると眩しいばかりの太陽だ。ここはいったいどこ? イタリアか? なんて勘違い?するほどだ。


今回の旅の立案者、U氏の新車だ。完成後二度目のツーリングだそうだ。
周囲のデモンタブームに影響されて、TOEIデモンタ号の完成だ。

随所に軽量化が施されたスペシャルマシンだ。さすがに軽い!
軽量マシンのおかげで、この福江島のアップダウンも快調にこなしていく。やはり軽量化の恩恵はデカイ!


水ノ浦教会〜楠原教会〜武家屋敷通り


福江島の教会巡りも後半戦。お腹も満たされて再び走りだす。
次に向かうのは「水ノ浦教会」だ。摩崖仏巡りと同様、しだいに次の目的地が待ち遠しくなってきた。

相変わらず起伏の多い道が続く。福江島を自転車で巡るのは結構大変だ。
レンタサイクルで教会巡りなど、まず不可能だろう。バイクが一番かもしれない。

(4)水ノ浦教会 
被昇天の聖母にささげられた白亜の清楚な教会

高台にそびえる白亜の教会。下から見上げるだけでその美しさに見惚れてしまう。
自転車を置いて撮影していたら、一人の女性が声をかけてきた。

「あの〜、自転車の写真を撮らせていただいていいでしょうか・・・」 と聞いてきた。
え? 何ですって? 自転車の写真? 教会じゃなくて? 


こちらの女性、東京から来たそうで、車を借りて教会巡りをしているそうだ。
そんな方が、「自転車が素敵なので、ぜひ写真を撮らせてください」とお願いしてきた。
持っているカメラも本格的。写真を撮る姿も知識も本格的。ひょとしたら何かの取材かな?

自分の自転車をモデルに、美しい教会の写真を何枚も撮影していた。
「あの自転車が一番高いですよ!」と教えてあげたら、振り向いてしっかりと撮影していた。
この方と一緒に、しばらく教会散策の楽しい時間となった。


水ノ浦湾を一望する小高い丘に上がると、素敵な花壇と素晴らしい展望が広がる。
大自然の風雨にさらされて、この美しさを維持するのはさぞ大変な事だろうと想像できる。
女性カメラマンとはここでお別れ。車に乗って次の目的地へ移動して行った。


少々風が出始め、そして雲が多くなって空模様が怪しくなってきた。どうやら天気はこれから下り坂のようだ。
走っていると電話がかかってきた。5人目のメンバーY氏からである。
どうやら近くまで来ているようなので、次の楠原教会で待ち合わせることにした。

楠原教会に向かう途中に「楠原牢屋跡」がある。
明治の始め、キリシタン迫害のために牢屋として使われた」と説明がある。
中へ入ってみると、重々しい歴史を伝える空気が流れてくる。当時を伝える貴重な史跡だ。


(5)楠原教会 
赤レンガを積み上げたゴシック様式の典型

14:16 本日最後の教会、「楠原教会」に到着。
外観はレンガ造りのゴシック様式。見る者を圧倒する美しい教会が出迎えてくれた。
外観も素晴らしければ、教会の中も溜め息が出るほどの美しさだ。


すぐに電話をもらったY氏がやってきた。遥か遠く、日本の西の外れて待ち合わせるとは・・・
Y氏はいったいどんなスケジュールでやってきたのだろう? ちょっと紹介しておこう。

自宅→車で佐世保へ→仕事後車で長崎へ→車を置いてフェリーで福江港へ(泊)→久我島を巡り→福江島へ渡り合流

私と同様、とんでもない大移動のスケジュールだ。当然帰りも輪行組とは別行動だ。
こうして、やっとここ福江島の楠原教会で、5名全員無事に揃うことができた。


さて、福江島の教会巡りもフィナーレに近づいてきた。
すでに今日一日多くのメニューをこなしてきて満足度も最高だ。
最後に「福江武家屋敷通り」を散策してゴールへ向かう。


武家屋敷通り

幕末に建てられた福江城(石田城)近くに、ほとんどそのままに当時のたたずまいを残している武家屋敷通りがあります。当時、ここには、30〜40石の五島藩に仕えた中級武士たちの屋敷が並んでいたといわれています。
武家屋敷の周りを囲んでいる石垣は、鬼岳などが噴火した際に流れ出た溶岩が冷え固まってできた石を利用したもので、島の成り立ちをうまく生活に活かしたものの代表例といえます。
この辺りの石垣塀は、切石を隙間なく積み重ねた上に玉石を載せた特徴的な「こぼれ石」と呼ばれる構造で、日本で数ヶ所しか確認されておらず大変貴重なものです。
敵が石垣塀を越えて屋敷に忍び込もうとするとこぼれ石が落ち、その音で侵入が分かる仕組みになっていたとか。
こぼれ石の横に置かれている蒲鉾型の石は「脇石(わきいし)」といって、こぼれ石を留めるほか、目印としても使われていたようです。
https://goto.nagasaki-tabinet.com/spot/349


武家屋敷通りに入ると、一気に昔にタイムスリップしたかのような雰囲気になる。
道の両側には独特の石垣が続いている。こんな珍しい構造の石垣は初めて見た。

一番上に乗っている石は、手で触れば簡単に持ち上げられる。
こんな仕組みでもし地震が来たらどうなってしまうのだろう? と心配するばかりだった。


「ふるさと館」で小休止して、地元の方の丁寧な説明を聞く。
「山本二三美術館」(アニメーション映画・美術家)で見事な作品を見学する。


最後の最後に、石田城(福江城)を眺めてゴールへ向かう。
この石田城、現在は本丸跡が県立五島高校となっている。
毎朝、自転車に乗った高校生たちが城門をくぐって登校するらしい。


16:43 福江島教会巡りを無事に終えてホテルに戻ってきた。いやぁ、とにかく充実したコースだった。
初めて訪れる土地、歴史ある教会、史跡、美しい海、景観、展望。そして辛いアップダウンの連続。
見るもの、聞くものすべてが新しく、頭も体ももう限界といった感じの一日だった。

ホテルに戻って夜の街に繰り出す前に、色々とやることがある。
まずは全員洗濯に忙しい。幸い、コインランドリーが完備しているので、なんでも放り込む。
そしてお待ちかねの全員そろって居酒屋へ!


ホテルの隣が居酒屋なので、歩いてたったの10秒だ。
もちろん予約済み。何から何まで完璧のスケジュール!

今日は人手が足らなくて、お店は大忙し。そこで皆で積極的にお手伝いだ。
最高の五島列島ツーリングに、カンパーイ!!


新鮮な魚が次々とテーブルに並ぶ。さすがになにもかも絶品の旨さ!
よく走り、よく登ったおかげで皆さん食欲旺盛だ。ビールも次々と飲み干してしまう。
ヒラマサ、マダイ、イサキ、アジノたたき、ヤイトガツオのたたき・・・刺し盛がなんたって美味しすぎ〜


きびなごの塩焼き、きびなごスティックがサイコー! すり身揚げ、アジフライもうめぇ〜
美味しすぎて、同じものをお代わりするほどだ。
お酒もどんどんすすんじゃって、追加でもう一本!


たっぷり飲んで食べて、気持ちよくお店を出る。気さくな女将さんで、いろんなことを話してくれた。
今日はお店を一人で切り盛りしていて忙しそうだった。

店の入り口にはこんなお知らせが貼ってあったが、どうしてどうして、とても心温まるおもてなしでした。
最後まで本当に丁寧な対応で、深々とお辞儀をしてお見送りしていただいた。


最高にご機嫌なおじさんたちは、ホテルに戻ってさらに二次会だ。
まあ、とにかく文句なしの一日だった。

大人のツーリングはこうあるべきだという、旅情たっぷりのお手本みたいな一日だった。
コースよし、天気よし、メンバーよし、そしてお酒も、食べ物もよし。
100点満点、パーフェクトの出来でした!


距離: 47.3 km
所要時間: 7 時間 34 分 45 秒
平均速度: 毎時 6.2 km
最小標高: 0 m
最大標高: 90 m
累積標高(登り): 691 m
累積標高(下り): 691 m

(2024/10/14 走行)


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