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2024年10月15日(火)


今回のツーリングも4日目、そして五島列島は2日目だ。
昨日の午後から天気が下り坂になり、とうとう雨の朝になってしまった。

やはり目覚めて雨が降っているとがっかりする。気分は一気にブルーだ。
5日前の天気予報でも、今日は雨マークとなっていた。最近の天気予報、ホントよく当たる。


昨夜さんざん飲んで盛り上がったが、朝になれば元気なおじさんたち。
おいしい朝食がテーブルに並び、天気を気にしながら完食だ。


かすかな望みも裏切られ、スタートからしっかり雨が降っている。
とりあえずは記念撮影して、福江港へ行く準備をする。


福江港〜奈留港〜遠命寺トンネル


五島列島二日目の予定は、次のようになっている。

@全員で福江島から奈留島へ渡る。
A奈留島の教会を巡って周回してくる。
B自分は、奈留島→福江島へ戻る。皆は奈留島→若松島へ移動する。ここでお別れだ。
C自分は福江島から長崎へフェリーで移動する。皆はさらに五島列島ツーリングが続く。

自分もすでにツーリング4日目。これ以上旅をしているわけにもいかず、ここで五島列島を離れる。

雨の降る中、福江港へ向かう。


出港前には雨も上がって、これなら何とかなりそうだと期待が持てる。
5台の自転車を所定の場所に移動し、慣れた手つきで係員に固定してもらう。

車も少ないし、乗客もほとんどいない。
そしてまた小雨が降り始める。やはり今日はだめだ。一日雨に悩まされそうだ。


船内には大きなテレビが設置してあって、ちょうど「こころ旅」を放映中だ。
体調悪化の火野正平さんの代役で柄本明さんが走っている。
さすがに違和感が大きく、自転車に乗る姿も心配でしょうがない。


どんよりとした空、雨粒が窓ガスにつく。さえない天候に全員物静かだ。
45分で奈留島に到着。奈留港ターミナルのコインロッカーに不要な荷物を預けて身軽になる。
完全に雨対策をして出発を待つが、なかなかスタートできない。


走りだす時には、すでにしっかりと降り始めてきた。
久しぶりだ、これだけの雨の中を走るのは。ただし気温が高いので寒くなくて助かった。


ザーザー降りになってきた。雨粒がフードをたたき、バシバシと音がするほどだ。
これだけ降られると開き直ってしまって、どーにでもなれという気持ちになってくる。


カメラもレンズに水滴がついてしまって厄介だ。拭いたところで効果なし。
そんな悪条件も記念になるので、頑張って撮影する。
今日は風景を楽しむ余裕などなく、ひたすら前を向いて走るだけだ。


奈留島は小さな島なので、周回するのも比較的簡単だ。
最初の登りが「遠命寺トンネル」だ。「遠命寺峠」という旧道があるがそこに開通したトンネルだ。
海岸線から離れ登りに入る。約80m程の登りだ。

雨が降っていなければなんてことのない登りだが、雨具を着ての登りは不快でしかない。
車も全く来なく、道幅も広いので頑張ればすぐにトンネルの入口が見えてくる。


トンネル内は明るく、路面も非常に奇麗なのでとても走りやすい。
出口の明かりも見え、車が全く来ないので怖さは全然なかった。

トンネルを抜けると海岸線まで一気に下る。
雨でブレーキが効かないので、かなりスリリングな下りだ。


江上天主堂〜奈留教会〜奈留港


下りきった先に「江上天主堂」がある

(6)江上天主堂 
江上集落が世界遺産に!  1797年、大村藩から潜伏キリシタン4家族が江上集落に移住。 奈留島では禁教令撤廃後も、 潜伏時代の信仰形態のままのカクレキリシタンが多かったが、 江上集落でも信者がカトリック教会に戻ったのは 1881年のこと。 1918年にはクリーム色の外観と水色の窓枠が印象的な江上天主堂が建てられた。 歴史を語る集落は世界遺産に登録されている。


足元が悪い中、江上天主堂にやってきた。
目の前に現れた教会は、眩しいほどの白い壁と、ブルーの窓が印象的だ。

実に素敵なデザインで、美しさとかわいらしさを兼ね備えた見事な建物だ。
湿気を防ぐために床を高くした構造になっている。

残念ながら中を見学することができない。
外観が素晴らしいだけに、中を見てみたかった。


この時間になって天気が回復し始めた。
空も明るくなり始め、雲の動きがあわただしくなってきた。

落ち着いて一息つけば、ここは小さな島の、小さな村のはずれだ。
自転車を並べて写真を撮ってみれば、明るくなった空を背景に素敵な島の姿が広がっている。


奈留島は離島感がたっぷり味わえる。細い道、近い海、複雑な海岸線、そして大きな空。
晴れていれば、もっともっとこの島の魅力を感じることができたのに残念だ。

いよいよ次の「奈留教会」が自分にとっては最後の教会だ。
再び海岸線から登り返すと、登りのピークに「小田河原展望台」があった。

この天気じゃ何も見えないとわかりつつ、せっかく来たのだから展望台まで登ってみたが・・・
予想通り、真っ白で何もわからず、残念でした。


小田河原展望台(おだごうらてんぼうだい)

五島列島のほぼ真ん中に浮かぶ奈留島にある展望台。
整備された階段を上っていくと、見渡す限りの青い海と緑の島々。
目の前には美しい五島の景色が広がり、隣の久賀島やその間の奈留瀬戸の潮流の速さを観察することができる穴場スポットです。
島々に囲まれた奈留島で、時期によっては海に沈む夕日を眺められるチャンスも!天気がよければ外せません。
https://goto.nagasaki-tabinet.com/spot/61792


展望台からは何も見えなかったが、ホームページには下のような写真が紹介されている。
晴れていればこんな絶景が拝めるのか。そして夕日も実にきれいだ。悔しいですねぇ〜


見学していると、再び雨が強く降ってきた。もう〜、今日はなかなか許してもらえない天気だ。
雨のダウンヒルは非常に危険だ。ブレーキも効かず、スリリングなコーナーリングに緊張する。

●雨のダウンヒル https://youtu.be/nyqh7KmaZpo


奈留島の中心部に戻ってくると、今度こそ天気が回復してきた。
青空が見えてきて、太陽が顔を出してきた。もう大丈夫だろう!

(7)奈留教会 大村藩からの移住者が中心となって建設

奈留教会は高台にあるため、入口は急坂だ。
この教会も白く、そして美しい教会だ。ちょうど晴れてきて、一層その美しさが際立つ。
ここも見学ができないので、外観を見るだけだ。


11:33 予約しておいた食堂に到着。食事できるところが限られているので事前に確認しておいた。
雨もすっかり上がったので、安心して雨具を片付け、バッグカバーも外す。身軽になって店内に入る。
町の小さな食堂で、メニューも限られている。まあ、食事にありつけるだけでありがたい。


注文したメニューがこちら。皆それぞれ違うメニューだが、どれも美味しそうだ。
ゆっくり食事して、コーヒーまでいただき気持ちよく奈留島の教会巡りは終了・・・と思ったのだが


なんと、すっかり雨は上がったはずなのに、突然の豪雨! どっひゃ〜! 今日一番の豪雨だ!
フロントバッグがぁ〜 ずぶ濡れだぁ〜 雨具も片付けちゃったぁ〜 
店の外へ出ても屋根がなくてずぶ濡れだ。すぐに移動して雨をしのいで雨具を着る。

なんてこったい、再び頭の先から足の先まで濡れまくる・・・
もうフロントバッグは手遅れだ。相当雨を吸い込んで、色も変わってしまった。
再び雨対策をして、しっかり雨に降られてやっと奈留港に戻ってきた。もうまいりました。


いよいよ皆さんとお別れだ。皆はこれから若松島へ向かい、私は福江島へ戻る。
どの島へ行くにもすべてフェリーだ。フェリーが動かなくなったら、島に缶詰めになってしまう。
五島列島は天気の安定した季節に来ないと、台風の影響などでフェリーも運休してしまうだろう。

フェリーに確実に自転車が乗せられるか、事前に確認の電話をしてみた。
予定していたフェリーに万一乗れないとなると、島から出ることができなくなる。

そんなスリル満点の旅はしたくないので、乗船の予約ができるか聞いてみたが、予約は不可能だ。
確実なのは、早く乗船手続きをすることだそうだ。早くいけば、間違いなく自転車は乗せられる。
とまあ色々と心配していたが、何のことはない、5名程度なら自転車は問題なく乗せられる感じだ。


若松島行きのフェリーが入港してきた。最後に車両乗船口で皆さんをお見送りする。
これから皆さんはまだまだ五島列島の旅が続く。次の島、その次の島はいったいどんな所だろう?
うらやましくもあるが、自分の予定もあるので感傷に浸っていられない。


このフェリーも空いているようだ。乗ったのは自転車4台だけ?
乗船したのを見届けて、自分も福江島行きの手続きに向かう。
乗船券を購入して、そろそろ出港かな? と油断していたらすでにフェリーは岸壁を離れていく。

うわぁ、早いね。もう行っちゃうの! とあわてて岸壁に出て手を振った。
映像には小さく映っていたけれど、しっかりと皆さんの姿を確認することはできかった。
皆さん、さようなら〜 お気をつけて〜 いい旅を〜 


奈留港〜福江港〜長崎港


若松島行きのフェリーが出港すると、港には自分だけが残された。急に静かにそして寂しくなってきた。
しかし、ついに本当の青空が出始め、もう雨の心配は完全になくなった。

やってきたのは「高速船 ニューたいよう」だ。この高速船は自転車を乗せることができる。


乗客は少ない。自転車を預け、客室から窓の外を眺める。
出港すると、あっという間にフルスピードで動き出す。速い!

波しぶきが高く上がり、船体も上下に激しく波打つ。さすが高速船だ。
さすがに速いけれど、自分はやっぱりのんびりした船旅のほうが好きだ。


再び戻ってきた福江島。なんだか懐かしい気がしてならない。
ドキュメント72時間に登場した風景が目の前にある。ああ、ここで撮影されていたな、と思い出す。
この島にとって、このフェリーターミナルが大きな役割を果たしていることがよくわかる。


16:50発フェリーに乗って長崎へ渡る。これで五島列島ともお別れだ。
出港まで2時間程時間が空いたので、福江港周辺を散策してみる。

昨日、最後に通り過ぎた石田城(福江城)跡へ行ってみる。
見事な石垣が続く小道を行くと、その先に「長崎県立五島高等学校」の入口がある。
本丸跡に高校があるため、ここを通って学生が登校しているようだ。


ぐるっと巡って石田城(福江城)跡を散策する。とても静かな時間がゆっくりと流れている。
高校生が一人、自転車で「城内」に入っていった。こんな高校、全国でもここだけだろう。
こうして最後の最後まで、じっくり福江島を観光できて幸せだ。


福江港に戻って長崎行きの乗船手続きを済ます。
いよいよ五島列島とお別れする時が近づいてきた。

まさか五島列島へ行く事になるなんて・・・最初の企画をもらってから、何度となくプランを考え直した。
練りに練って、悩みに悩んで、やっと出来上がったビッグツーリング。

ここまで何事もなく無事に走り終えることができて、本当にほっとした。
これだけ多くの船に乗ったツーリングもこれが初めてだ。
あと一日、無事に走ることができれば、一生の思い出に残るツーリングになりそうだ。


乗船時間が近づいてきた。もうこの旅何度目の乗船だ? おかげで船に乗るのはすっかり慣れてしまった。
バイクが一台と自転車が一台。今回も乗客は少なそうだ。


16:50 福江港を出港する。
さすがにこれで五島列島ともお別れとなると、少々寂しさがこみあげてくる。

島を離れる時、いい島だった時はもっと長くいたいと思う。そうでない時は、その気持ちが感じられない。
五島列島は、もっともっと長い時間過ごしたいと思う島だ。まだまだ知らない魅力がたくさんある。


ガラガラの客室だった。広い船室の、好きな所にひっくり返って枕と毛布で仮眠する。
懐かしい感覚だ。昔の船旅はこんな雑魚寝が当たり前だった。
さんふらわあに慣れてしまった自分には、学生時代に過ごした長距離フェリーを思い出すような感覚だった。


20:00 長崎港に到着。
ここまで来ると、東京がぐっと近づいてきた感覚になってくる。それだけ五島列島は遠い。

何度か来ている長崎なので、安心して夜の街を走ることができる。
夜の長崎は刺激的だ。美しい夜景に目が奪われる。平日の帰宅時間、路面電車も通勤客で一杯だ。

この時間にこんなところをナイトランしている自分。いったい何をしているのかと自分でも疑問になってくる。
本日の宿まではわずかな距離だ。無事にチェックインして、長い長い一日が終わった。

今夜は時間も遅いので、コンビニで夕食を仕入れてのんびりと部屋で過ごす。
あぁ、今頃皆さんはどうしているのだろう? 

無事に宿に着いたかな? あれから若松島へ渡っても結構大変なはずだ。
そんなことを気にしながら、明日の最終日の予定を頭に入れて眠りについた。


距離: 19.6 km
所要時間: 3 時間 40 分 39 秒
平均速度: 毎時 5.3 km
最小標高: 0 m
最大標高: 90 m
累積標高(登り): 235 m
累積標高(下り): 235 m

(2024/10/15 走行)


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