峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2024 >  大浦天主堂・グラバー園・野母崎自転車道




2024年10月16日(水)


今回の旅も今日が最終日。5日目までトラブルなく過ごせたことにまず感謝だ。
最終日、天気は心配ない。昨日はさんざん雨に悩まされたが、今日になってみればいい思い出だ。
ビジネスホテルなので、朝食は忙しそうなビジネスマンが多い。旅人はほんのわずかだ。

長崎駅〜長崎港〜大浦天主堂〜グラバー園


港から近く、シンプルで便利なホテルだった。
今日は長崎駅が最終ゴールなので、まずは長崎駅へ行って不要な荷物をコインロッカーに預ける。
工具、雨具以外はほとんど不要で、おかげでフロントバッグの中も半分空いた。これで快適に走れる。


大好きな長崎港。夜の長崎港も素敵だが、朝の長崎港もまた素晴らしい。
朝の散歩をする人ぐらいしかいなくて、静かで美しい港の風景を楽しむことができる。

海の色がとにかくきれいだ。
五島列島の海はエメラルドグリーンだったが、ここの海はコバルトブルーとでも言うのかな?
正面に見える稲佐山。ここからの展望も素晴らしい。2012年に登ったことがある。


坂の街、長崎。

自転車をほとんど見ることのない長崎。当然自転車屋もほとんどない。
(長崎の自転車世帯保有率は29.3%で全国最下位、そして全国平均の半分だそうだ)
以前来た時も、まったく自転車に乗っている姿に出会わなかった。

今朝は長崎駅に向かう通勤客の姿を数名見ただけだ。多く目にするのはやはりバイクだ。
こんな坂だらけの街だ。自転車ではまったく生活できないだろう。
オランダ通りを抜けて、大浦天主堂へ向かう。


せっかく長崎にいるのだから、今回は教会巡りの最後に「大浦天主堂」を見学する。


大浦天主堂

大浦天主堂は、幕末の開国にともなって造成された長崎居留地に、在留外国人のために建設された中世ヨーロッパ建築を代表するゴシック調の教会で、現存するものでは国内最古となります。
https://www.nagasaki-tabinet.com/junrei/102


修学旅行の学生と一緒になってしまって、賑やかな見学となった。
五島列島の教会巡りとは別世界のようだ。

それにしても見事な建築だ。
1933年には当時の国宝に、1953年には文化財保護法に基づいた国宝に指定されている。
続いてお隣のグラバー園も見学してみる。


グラバー園

長崎は横浜・神戸・函館・新潟とともに開港。長崎外国人居留地が誕生しました。
その地で今もなお、歴史を刻み続けるグラバー園。
スコットランドの貿易商人、トーマス・ブレーク・グラバーの邸宅をはじめ、
3棟の国指定重要文化財と長崎市内に点在していた貴重な伝統的建造物が移築復元されています。
https://glover-garden.jp/


入口はなんとハローキティがお出迎えしてくれる。どうやらコラボ企画のようだ。
今年キティちゃんは50歳! グラバー園も開園50周年ということらしい。
キティちゃんの人気で、きっと入場者も多いのだろう。


グラバー園へ来るのも2度目。サイクリストのおじさんにはちょっと場違いな所かもしれない。
園内は美しい世界が広がる夢のような空間だ。じっくりゆっくり見学すれば心温まる癒しの世界だ。

50周年ということで、限定グッズを販売している。
さっそく家に電話して聞いてみたら、「限定品、何か買ってきて!」とお願いされたので、あれこれお買い物だ。
フロントバッグが空いていたので助かった。ほぼお土産で一杯になってしまった。

ゆっくりしてはいられない。
今日も多くのメニューが待っている。足早に歩いてグラバー園を出てきた。


本日のメイン「野母崎自転車道」へ向かうのに、海側ではなく山側から行こうと考えていた。
ところが、走りだしてすぐにこんな激坂にノックアウトされてしまった。

勘弁して下さいと言うほどの勾配だ。久しぶりに「暗峠」を思い出した。
押すだけで精一杯だ。日差しも強く、こんなスタートでは先が思いやられる・・・


最終日にこんなハードなことはしていられない、と思い、急遽コース変更だ。
起伏の少ない海岸線に降りてきて、楽をしようと考えた。長崎の街は甘く見ると痛い目に合う。

「長崎サンセットロード」と名づけられた車道を行く。交通量はあるが、こちらのほうが気が楽だ。
後ほど渡ることになる「女神大橋」の下を通過して、自転車道の入口を目指す。


自転車道の入口までは結構距離があって、ここまで来るのに結構大変だ。
車道は交通量が激しくて走りたくない。そして歩道は自転車のことは考えられていなくて走りにくい。
この自転車道を走ろうと思ったら、車を使うなり、何か方法を考えたほうがよさそうだ。


野母崎サイクリングロード


野母崎サイクリングロード

全長20.7km、道路幅3.0mの野母崎サイクリングロードは、長崎県唯一の大規模自転車道です。
四季を感じることのできるこのサイクリングロードは、大人から子供まで楽しめます。

https://www.welcomekyushu.jp/cycle-in-kyushu/courses/detail/31


自転車道のスタート地点は、すぐ隣が中学校だ。その横から「長崎野母崎自転車道」が始まる。
大きな案内図が設置してあって、コースの全容がわかりやすい。
ウォーキングに利用する人が多く、すでに何名か歩いて行った。


スタートすると、道は緩く登り始める。
先ほどまで車の騒音に悩まされていたが、ここに来ると全く聞こえなくなる。


ようやく静かで心休まる自転車のための道が現れる。
センターラインが引かれた自転車道は、きれいに清掃されていて気持ちいい。

路面も新しく、ガードレールもちゃんと整備されている。
数十メートルごとに、掃除用の箒が置かれているのがとても気に入った。
誰かがこの道を歩きながら掃除しているのだろうか?

●長崎野母崎自転車道 https://youtu.be/eBM1YM_EHNI


なかなか変化に富んだ自転車道だ。展望はないが、右へ左へと変化していく道筋はなかなか面白い。
ウォーキングしている方を何人か追い抜いたり、また追い抜かれたり。

途中の鳥居で写真を撮っていたら、どうやら有名な場所のようで、案内しましょうか? と声をかけられた。
こんな猫ちゃんにも出会った。近所の飼い猫のようだ。

自転車道の終わりあたりに、軽トラックが2台止まっていた。
どうやらこの自転車道を、軽トラで走りながら掃除しているようだ。なるほど、そのための箒だったのか。

結構起伏がある自転車道だ。意外と脚を使う自転車道だったが、とっても楽しい道だった。
自転車道の終点はまだまだ先なのだが、途中でエスケープしないと戻れなくなるので、自転車道とお別れだ。


女神大橋〜長崎駅〜博多〜東京


自転車道と別れ、海岸へ出る。旅の最後は大海原を眺めながらのんびりとフィナーレを迎えたい。
西側の海岸に出ると、目の前に目の覚めるような海が広がってきた。そしてやはり海がきれいだ。
しばらくは極上のシーサイドコースが続く。


深堀の町に入ると、「深堀武家屋敷跡」があった。
かつてこの町には佐賀藩の武家屋敷があったそうで、石垣や武家屋敷跡が当時を物語っている。
http://boken.nagasaki.jp/spot/boken270.html


時刻はそろそろ13時になる。今日の昼食は、長崎ちゃんぽん、皿うどんでも食べたいと思っていた。
どこか町の食堂で、本場地元の味を楽しもうと思っていたのだが、そう簡単にお店は見つからない。

スマホで探せば見つかるだろうが、わざわざ遠回りまでしたくない。どこか途中にないものか・・・
やっと見つけた小さな食事処・・・しかし昼時のお客で混んでいる・・・残念。
結局落ち着いたのはここ、安心の「リンガーハット」。


美味しそうなメニューに悩んでしまう。あれも、これも食べたい・・・


悩んだ挙句注文したのは長崎皿うどん。ドレッシングが2種類ついて美味しくいただけます。
町中華の味は楽しめなかったけれど、やはりどこで食べても美味しいですね、リンガーハット。


お腹も満たされて、最後のイベントは「女神大橋」だ。


女神大橋

女神大橋(ヴィーナスウィング)は、長崎港によって分断されている長崎市南部と西部を最短距離で結んでいます。
塔と桁を斜めに張ったケーブルでつないで支える構造を持つ斜張橋としては、国内で6番目の長さを誇り、大型船舶も通過可能な桁下65mの高さを確保しています。
また、夜間にはライトアップされ、香港・モナコと共に「世界新三大夜景」のシンボルとなっています。
通常は白を基調とした照明ですが、イベントの際は彩りある演出照明がされます。
その美しさは「日本夜景遺産(ライトアップ夜景遺産)」にも認定されました。
https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/60756


午前中に通り過ぎた女神大橋まで戻ってきた。はるか上空に見える橋まで登り始める。
一気に60m登らなければならないのでかなり辛い。しかし下から見上げる橋は見事な美しさた。
登り始めると、上から外人二人組のサイクリストが気持ちよさそうに下ってきた。


「女神大橋」と刻まれた橋の入り口まで登ってきた。
前方に続く、美しい曲線と芸術的な橋の姿がとにかく美しい。

歩道も驚くほど広い。自転車のことをしっかり考えて作られている。
そしてこの展望だ! まさしく「しまなみ海道」そのものと言ってもいいだろう。

この高さからの眺めは気分最高だ。なんて素敵な橋を作ってくれたのかと思う。
許されることなら、ここでしばらく腰を降ろしてお茶でも飲んでいたい気分だ。
こんな絶景を独り占めだ。自転車も歩行者も誰もいない。とにかく笑顔溢れる大満足の女神大橋だった。

●女神大橋を渡る https://youtu.be/FBtE16StzhE


女神大橋を渡り長崎市内へ向かう。
交通量の多い車道を避けて裏道を辿っていたら、西泊中学校の先で、なんと階段になってしまった。

地図上では道が続いているのに階段とは・・・こういうところが坂の街の特徴だ。
戻るわけにもいかず、しかたなく担いで階段を降りていく。途中で住民の方に出会ったので聞いてみた。

「ここ階段なんですね? 道があると思ったんですが・・・どこまで階段ですか?」
「もう少し、あの先までだよ」と教えてもらう。(しかし結構距離ありました・・・)

さぞ不思議だったでしょうね、こんな変な奴に出会って。迂回せず、担いで降りてきたのだから。


最後に担ぎが出るとは笑い話になってしまった。ますます思い出深いフィナーレになってしまった。
無事に「下界」に降りてきて、最後に西泊トンネルを抜ければ長崎の市内だ。
再び広く美しい長崎の街並みが見えてきた。ゴールの長崎駅も近づいてきた。


14:50 長崎駅にゴール。
長かった旅も無事に終えることができた。

4泊5日の旅、あまりに内容が濃すぎてもう何も言うことがない。今日一日だけでもかなり色々なことがあった。
これだけ走って、感動して、そしてこの時間から東京へ帰ることができる。九州は本当に近くなったと感じる。


15:42発 かもめ42号に乗車する。武雄温泉で乗換、博多で乗り換える。
これから長時間の列車旅だ。お酒、おつまみ、お弁当、水、氷、お菓子・・・リュックに大量に買い込む。
駅弁を味わいながら、動画で旅を振り返る。長すぎて、もう初日の記憶も定かでないほどだ。

今回も何一つトラブルなく無事に終わった。まずはそれが一番だ。
機材のトラブル、ケガ、悪天候、運航トラブル・・・何かしら起きてもおかしくない。
やはり入念な計画と、安全な走り、技術・体力など、総合力の結果だろう。

またしてもいつまでも記憶に残るツーリングとなった。
これもすべて「五島列島ツーリング」にお誘いいただいたおかげだろう。
いい旅、いい思い出、そしていいメンバーに本当に感謝したい。


距離: 49.0 km
所要時間: 6 時間 33 分 30 秒
平均速度: 毎時 7.5 km
最小標高: 2 m
最大標高: 94 m
累積標高(登り): 732 m
累積標高(下り): 732 m

(2024/10/16 走行)


帰宅後


その後、別れたメンバーから無事にツーリングを終えた連絡をもらった。
奈留島で別れた後、メンバーは若松島、中通島、頭ケ島と走り、太古フェリーで博多へ戻り帰京した。
写真を見ると素晴らしい島の景色で一杯だ。


自分が行けなかった島の様子を写真で伝えてくれた。
小さな峠もあったようで、島の峠越えを味わえずに少々残念だった。
メンバー全員トラブルなく、無事に旅を終えることができて本当に素晴らしいツーリングだった。


五島列島は一度行っただけでは到底満足できない所だ。
今回のツーリングでは、全く時間が足らなかった。徹底的に走るには1週間ぐらい時間が必要だ。

それぞれの島に泊まり、日の出も夕日も堪能してみたい。
日本の西の外れには、こんなに素敵な所があったのかと教えてくれたツーリングだった。


峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2024 >  大浦天主堂・グラバー園・野母崎自転車道