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なんと、季節外れの台風が発生!


一年最後の締めくくり、恒例秋のクラブランの時期になった。
今年の夏も異常なほど暑かった。10月になってもまったく秋の気配はない。
いつまでも半袖・短パンで走れるほどだ。こんな調子では、紅葉も期待できそうもない。

さて、クラブランが近づいてきたが、天気が思わしくない・・・
なんと驚いたことに、11月になろうというのに台風が発生した! こんなことはいまだかつて経験がない。

週間天気予報では、11/3〜11/5の新潟地方は雨マークだ。
迷走台風はいったいどこへ向かうのか・・・毎日気にしていたら、なんと急に曲がり始めた! 最悪だ!


2020年11月、前回の秋山郷。朝からしっかり雨に降られ、一日中冷たい雨の中を走り続けた。
またしてもこの悪夢の再現か? 勘弁してほしい。
さらに台風となればツーリングどころではない。予定変更か? それとも中止か?


気象庁の天気予報が更新されるたびに、新潟地方、長野地方の天気予報に注目する。
幸い、台風は温帯低気圧に変わったが、それでも大雨の可能性がある。なんとかもう少し回復してくれないか・・・
二日前になって状況が好転してきた。雨マークがなくなり、曇りから晴れマークが現れ始めた。

そしてなんと前日になって、さらに天気は回復し、三日間雨に降られないのでは? とまで回復してきた!
なんという強運だろう。一時は延期や中止までありえたが、この急回復はまさにミラクル。
天気予報に一喜一憂して、今年のクラブラン、出発前から気分も上々だ。


2024年11月3日(日)


今回は参加者11名に、サポートカー1名の総勢12名という大所帯だ。(輪行組6名、カーサイ組6名)
東京駅に集まったのは4名。3連休中とあって、新幹線ホームは相変わらず混んでいる。
昨今、デモンタ流行りで、皆さんデモンタだらけだ。こんなコロコロが手に入るんですね。


「6:28発 はくたか551 金沢行」に乗車する。
私は相変わらず、伝統的なフォーク抜き輪行を続けている。
ご覧のように、大型荷物置き場にすっぽり入るコンパクトさだ。

他の皆さんは、どこへ置こうか、邪魔にならないかと神経を使う。
大宮から1名乗車してきて、輪行組5名が揃った。あとの1名は京都からの輪行で現地集合だ。


「はくたか551号」座席指定の出来事

さてさて、全員無事に揃ったのはいいが、実は心配事がひとつあった。

実は確保した指定席は、5名なので3列シートの真ん中を空けて確保していた。
座席を回転させて、5名でBOX席として使う予定なので、真ん中の席を空けて確保したというわけだ。
まあ、普通ならこの席に座ろうという人はいないはずなのだが・・・

念のため、大宮駅に着く前にえきねっとで調べたら、なんとこの席も予約されているではないか!
「うわ、まずい!」と全員絶句。
車両の空き具合を見ても、ほとんど満席で、どの車両も空席が1つ、2つあるだけだ。


車内放送でも「この列車は全席満席です」と放送しているとおり、かなり混んでいる。
すでに我々は、座席を回転して荷物も広げて朝食タイム・・・
この席に予約した乗客がやってきたら、どうするか? と慌てだす・・・

座席の回転をもとに戻すか? それとも回転したまま通路側に座ってもらうか? それとも車掌に相談か?
話を聞いてもらえる人ならいいけれど、面倒な人がきたら厄介だな・・・と言っているうちに大宮駅に到着。
大宮駅からの1名が合流し、全員席に落ち着いたけれど、真ん中の席に誰もやってこない・・・あれ?

もっと先の駅から乗ってくるのかな? と、ひとまず安心したところ・・・
山歩きスタイルの女性が一人、我々の席を眺めながら別の車両へ歩いて行った・・・
別に気にも留めなかったのだが、そのあと少しして女性の車掌さんが我々の席にやってきた。

「あの、この真ん中の席は予約されていませんよね?」「はい・・」
「ここを予約したお客様から連絡がありまして、座席を回転していて・・・(スワレナイ)」
「今回は別の席へご案内して、お客様も了解していただきました」「・・・、スミマセン」

「このままで結構ですので、降りる際は座席をもとに戻してください」「・・・、はいわかりました」

まあ、この予約した女性にしてみれば、きっと腰を抜かすほど驚いたでしょうね。
おじさん連中が、輪になっておしゃべりしている真ん中の席に座れるはずがないですからね。

結果、車掌さんの対応が素晴らしかったので、お互いにいやな気持ちにならずに済みました。
これがJR東海だったら、きっとブツブツ文句を言われたことでしょう。
この女性の方にも、車掌さんにも大変ご迷惑おかけしてすみませんでした。



天気も回復し、「はくたか551」指定席事件も無事に終わり、定刻通りに上越妙高駅に到着した。
ここで、カーサイ2組と合流。1組は毎年サポートカーで支えていただいているご夫婦組だ。
今日はここから合計8名で関田峠を越えて野沢温泉を目指す。


今日の前半は、関田峠まで登りっぱなしだ。
標高差1100m。高齢のおじさんたちにとっては、かなりきつい登りだ。
日没の早いこの時期、のんきに走っていたのではナイトラン間違いない。

全行程の時間配分を考え、スタートを9:00にしていたのだが、さっそく30分遅れだ。
組み立て、買い出し、いろいろ準備しているとすぐに予定より遅れてしまう。
まあ、こんなことになるだろうと、ダウンヒルで追いつく時間配分にしている。


サポートカーは、我々の余計な荷物を昼食場所、そして宿まで運んでくれる。このありがたさは絶大だ。
着替え、食料、充電機器、身の回り品など、走りに必要ない物だけで数kg軽くなる。

アプローチは緩やかな勾配で始まり、大きく開けた田園風景の中を快適に登っていく。
しばらくして、ガーミンの画面にもいよいよ登りの表示が現れてくる。


気が付けば、なんとパニアバッグだらけだ。走行7台中5台がパニアバッグという異常さ!
フロントバッグとサドルバッグを愛用する自分としては、輪行が大変ではないかと思うのだが・・・

使っている本人からすると、なんでも入って便利だとのこと。なんでも入る = 余計な物が多くなる?
ま、パニアバッグも素敵なランドナーのフォルムですから、やっぱりカッコイイですよね。 


うまいこと4人並んでもらって記念撮影。どうせなら5人並んで欲しかったが、間に合わず残念。
パニアバッグも各自それぞれこだわりがあって、話し始めたらきりがない。
皆さん、どの形がお好きでしょうかね?


10:44 標高320m 手応えのある登りが続く。
交通量も少なくなり、静かに秋景色を楽しみながら自分のペースで登っていく。


11:40 標高740m 走り始めて約2時間、約700m登ってきた。
1時間300mのペースで登りを予想していたが、若干ペースがいい。おかげで多少遅れを取り戻してきた。

駐車スペースがあったので小休止。
サポートカーもすっと一緒に走っているわけではなく、あちこちドライブしながら見守ってくれる。
万が一トラブル発生の際は、緊急で駆けつけてくれるから、とにかく心強い。

さて、このスタンド付きマシンは、久しぶりに参加したY氏。最年少でパワフルな走りが自慢だ。
今回は1泊のみの参加で、カーサイで軽装スタイルでの参加だ。

この簡易的で、取り外し自由な伸縮自在のスタンド、実は意外と便利だ。自分も買おうと思ったことがある。
重量級のマシンでなければ、これ一本で自転車も自立する。ちょっとした写真撮影にも重宝する。


12:10 標高841m 関田峠まで、残りあと約300m。なんとか予定の13時に到着できるかもしれない。
しかし、さすがに延々と登ってきた疲れが出てきた。
どこまで登っても、一向に勾配は緩くならない。そして、一服できるタイミングもない。

降りてしまいたい弱気と、頑張らねばという気持ち。最後はギヤ比と体力の勝負だ。
ギヤ比が合わなければ降りざるをえない。降りれば当然ペースダウンとなる。
ギヤ比1以下のレシオが必須の年齢になった。自分は、28*34(ギヤ比 0.823)という反則技だ。

しかし、このギヤ比のおかげで、どんなきつい勾配でも降りずにすっと乗っていられる。
この「降りない」ことのメリットは大きい。乗りながら呼吸を整え、次のきつい登りに備えることができる。
隊列の前から後ろから、カメラ、ビデオで撮影するためには、押して歩いていては仕事にならない。


峠まであと標高差200mほどの所に、「あさま山荘事件 難局打開の鉄球」の記念碑があった。
我々も、この難局をどう打開すべきか実物の鉄球を見学してきた。


難局打開の鉄球

光ヶ原高原のモニュメントは、役所広司さん主演で事件を描いた2002年公開の映画「突入せよ!あさま山荘事件」の山荘攻防戦シーンのロケが同所で行われたことを記念し、同年に当時の板倉町が建立した。
設置されている鉄球は左側が事件発生時に人質救出の突破口を開くために集められた複数の鉄球の一つで、右側が光ヶ原高原での山荘の建物破壊の撮影に使用されたもの。
鉄球の下には「閉塞された状況を打開する『難局打開の鉄球』と申せましょう」という、事件当時に現場で指揮をとり、映画で役所さんが演じた警察官僚の佐々淳行さんによる解説文も刻まれている。

https://www.joetsutj.com/articles/743992480



気が付けば、周囲はすっかり秋景色広がる、素晴らしい紅葉の峠道となっていた。
厳しい登りも、この色鮮やかな風景に心癒される。
元気な人はスイスイと登っていく。疲れたおじさんは押すしかない。


路肩には落ち葉が積り、そろそろ晩秋の雰囲気を醸し出している。
幸運なことに、猛暑だったおかげで、この辺りの紅葉も例年より遅れているようだ。
峠直下、最後の最後まで辛い登りが続く。もう勘弁してほしいという長い長い登りだ。


ガーミンに、やっと峠の標が見えてきた。とにかく長い長い道のりだった。
13:18 標高1129mの関田峠に到着。

予定の13時には間に合わなかったけれど、スタートの遅れをいくらか取り戻すことができた。
いつもの調子なら、ずるずると遅れてしまうところだが、今回は皆気合が入ってよく登った。上出来だ。


残念ながら、峠は登山客の車で賑わっていた。駐車スペースも少なく、道路の路肩まで車が溢れていた。
せっかくの峠の雰囲気もこれでは台無しだ。峠の写真も思うように撮影できず残念だ。
ここ関田峠は、「信越トレイル」の途中にあるため、ハイキング客がここに車を駐車しているようだ。


信越トレイル

里山を巡る全長110qのロングトレイル
信越トレイルは長野県と新潟県の県境に連なる全長110qのロングトレイルです。
このトレイルは、関田(せきだ)山脈エリアと苗場山麓エリアに整備された
豊かな自然と人の暮らしが共存する幾多の里と山を結んでいます。
https://www.s-trail.net/s-trail/



関田峠から少し下った先の茶屋池が、絶好のランチポイントだった。
小さな池のほとりに陣取って、全員でやっと大休止する時間となった。

ここまで登ってくれば、今日の難所はほぼクリアできたようなもの。
あれだけ心配していた天気も、まるで嘘だったかのように青空が広がっている。
ほぼ予定時間通りで、もうここまでは見事な出来に大満足だ。


やっぱりひとつの峠を苦労して越えた後は気分がいい。
長いアプローチだっただけに、峠越えの達成感もいつも以上だ。


コンビニで仕入れた食材で調理開始。こうした便利なものが充実しているから、本当に助かる。
「鶏のねぎ塩焼き」「直火焼きベーコン」どちらも最高においしかった。
各自それぞれ自慢の食材を披露しつつ、楽しくランチタイムを過ごす。


楽しいランチタイムを終えて片付けに入っていると、突然、登山スタイルの女性に声をかけられた。
(ホームページ掲載の許可をいただきましたので、写真を載せさせていただきます)

「あの〜、自転車の写真撮ってもいいでしょうか? こんなにたくさんランドナーがあるなんて!」
ん? なんだって、今"ランドナー"って言ったよね?

「えっ? なんでランドナーって言葉知っているんですか?」
「私も乗っているんです・・・」ときた。どうやら、山もやるし、自転車もやるらしい。
それで、こんな大量のランドナーを目の前にして駆け寄ってきたというわけだ。


登山と自転車、それもランドナーとくれば親戚みたいなものだ。
我々メンバーの中にも、本格的な山好きが何人かいる。
すぐに話も弾み、どーぞどーぞいくらでも写真撮ってくださいと盛り上がる。

「きれいですね、素敵ですね」と最高の誉め言葉をいただいて、こちらも上機嫌。
フロントバッグが欲しいと言うので、じゃこちらの方をご紹介しましょう・・・と営業活動。
今日はキャンプですって! なかなか凄い方じゃないですか!

帰宅後、私のホームページからメールをいただき、愛車の写真を送っていただきました。
ふむふむ、なかなかいいじゃないですか! いつかどこかで、またお会いしたら声をかけてくださいね!


たっぷりランチタイムを楽しみ、楽しい出会いもあり、いよいよダウンヒルの時間となった。
天気も最高、気分も最高、そしてこの見事な紅葉の中のダウンヒルときた。


路面もいい、勾配もいい、道幅も十分。そして対向車も少ない。もう最高の条件が揃っている。
茶屋池から一気に800m近く下ることができる。この標高差はなかなかのスケールだ。


ダウンヒルとなると大はしゃぎなのがこの人。
最高級のダウンヒルテクニックで、ピースサインのコーナーリングだ。安定感ピカイチ!
せっかくなので、記念に特別編集版を作っておきました!


逆光の中、ススキの穂がキラキラと輝く。こんな美しいダウンヒルも久しぶりだ。
いつまでも、どこまでも下れる極上のダウンヒル。こんな好条件はなかなかないだろう。

素晴らしいダウンヒルの一部を、最新のアクションカメラの動画でお楽しみください。
Youtubeの設定を高画質にしてご覧ください。美しいダウンヒル映像が楽しめます。
(新品のブレーキシューなので、ブレーキ音がちょっとうるさいです)
https://youtu.be/tI8kcdFSYx0


ふぅ〜、とため息が出るほど充実した下りだった。
この豪快な下りで、ランチタイムで遅れた時間も取り戻すことができた。
下りきると飯山線の「上境駅」に出る。ここで一息ついて最後の登りに備える。


本日の宿、野沢温泉まではここから240mの登りだ。
最後が登りゴールとなってしまって、せっかくのダウンヒルの高揚感も振出しに戻ってしまう。

この登り、過去に自分は雨のナイトランで登ったことがある。
最悪の条件の登りだっただけに、その時の辛い思い出が今でも強烈に残っている。

しかし、今日はまったく条件が異なり、まだまだ明るい日差しの中、時間も余裕があって心は穏やかだ。
さすがにゴール近くになると体力も限界に近づく。何でもないような坂が、結構脚にくる。


16:22 野沢温泉 ますや旅館到着 
なんと、ゴールしてみればほぼ予定通りの16:30。頑張りました皆さん。よく登りました!
ここで、別コースの輪行・カーサイの面々も加わって、総勢12名が無事に揃うことができた。


久しぶりの大所帯のにぎやかな宴会となった。
関田峠を越えた面々は、あまりの充実したコースに笑顔が溢れる。そして疲れた体にビールがうますぎる。

とにかく天気の回復に感謝するしかない。
もし雨だったら、いったいどうなっていただろうと思うと、今日は本当に夢のような一日だった。

その後も話の尽きない二次会となった。
コースもよし、天気もよし、そして宿もよし。

こうして毎年素晴らしい仲間と走れることが、人生最大の喜びだ。

 

距離: 42.0 km
所要時間: 6 時間 46分 49 秒
平均速度: 毎時 6.2 km
最小標高:  23 m
最大標高:  1128 m
累積標高(登り):  1395 m
累積標高(下り):  843 m

(2024/11/3 走行)


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